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【亀山千広氏が語り尽くす、「室井慎次」2部作誕生秘話Vol.1】柳葉敏郎×君塚良一×本広克行と膝を突き合わせた会談の場で“事件”は起こった

映画.com / 2024年11月27日 12時0分

 それで君塚さんに相談をしたら、「監督が乗らない理由は、事件がない、コメディがない、パトカーやヘリコプターが出てこないからだと思う」とおっしゃられて、「室井の家の前の池を挟んで逆側で死体が発見されるという設定はいかがですか?」と提案してくれたんです。なるほど…と思い、誰の遺体なんだと話をしていたら、僕の座っていた席の真横に「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」のポスターが置いてあったんです。

 「君塚さん、この作品はいまだに日本の実写映画で一番観られた作品ですよね。ここから引っ張ってきましょうよ」とひらめいたんです。あの犯人グループも刑期を終えて全員出所しているはずだし、詐欺グループとしてまた悪さをしているというのは無理がない。日向真奈美の娘・杏については当初、監督が「それはやめましょう」と反対していたんですが、ここに日向真奈美が絡んでくるとしたらより面白くなるんじゃないかということで、今のスタイルに固まりました。

 倒れた監督に「ヘリを飛ばすぞ!」と話をしたら、もう逃げられないと思ったんでしょうね。「わかりました」という返事を受けてから、今度は監督を連れて柳葉さんに会ったんです。改めて「監督はなんでやるんだ」と柳葉さんに詰められたら、本広監督が「亀山さんの最後の作品になると思うから」とか言いだして(笑)。

 柳葉さんが「えっ、そうなの?」って聞いてきたんだけど、僕も「俺、最後なの?」ってビックリしちゃって(笑)、柳葉さんに「わかんない…、最後らしい…」って。一度も最後なんて言ってませんし、最後って自分で決めるものなんじゃないか?と思いましたが、本広監督がそう決めたので、僕の最後の作品みたいです(笑)。

■まさかの応酬「だったらやめようぜ」「じゃあ、やめよう!」

――ここでようやく柳葉さんを含む4人が同じ方向に進む機運が高まってくるわけですね。

 ところが、僕と柳葉さんのあいだで齟齬があって、彼が納得していない部分がまだあったんです。それは、あとあと解決できる話だったんですが、僕と柳葉さんの長年にわたる関係性のなかで、二度も三度もお願いして「そりゃあないだろう」と思っちゃったんでしょうね。僕が完全に悪いのですが、「だったらやめようぜ」って言っちゃったんです。

 そうしたら、「じゃあ、やめよう!」って言って、柳葉さんが席を立たれて帰っちゃったんです。やばい! と思ったんですが、翌日には「やります」という返事をいただいた。直接謝れないまま衣装合わせの日になって、その日はもう必死に頭を下げました。「もういいよ、やめようよ」「いやいや、俺が悪いんだから謝罪させてくれ」みたいなやり取りを、監督たちはずっと苦笑しながら見ていましたね。本当に、始めるにあたって、色々なドラマがあったんですよ。

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