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【亀山千広氏が語り尽くす、「室井慎次」2部作誕生秘話Vol.2】フジテレビ社長室で亀山千広氏を睨めつけていた室井慎次

映画.com / 2024年12月4日 12時0分

 もっと言ってしまえば、自分たちの会社も出資していますから、下手に赤字は出せない。しかも社長がプロデューサーも兼ねて趣味でやっているみたいに思われるのは、社内外に示しがつかない。そのプレッシャーも含め、全部背負うのかと思いました(笑)。

■あのシーン、実は亀山氏の実体験とリンク

――「室井慎次 生き続ける者」の先行上映を劇場で鑑賞した直後、本広監督に感想を伝えるべく連絡を入れました。本広監督からは「室井は亀山さん自身だから」と返信があったのですが、室井の苦悩というのは亀山さんの苦悩と直結しているのでしょうか?

 亀山:これまで、僕は一度だって室井はこうあるべきだって口にしたことはないんです。本来、プロデューサーとして主人公の青島に感情移入していくべきなんですが、作り始めたのが40代だったし、年齢的にも室井のことが理解できたんだと思います。サラリーマンは僕しかいなかったから、なんとなしに室井に関する質問は僕が必ず受けていた。青島については聞かれたことがありません。本広監督が勝手に作り込んでいっちゃうから(笑)。

 物語の構成上、体制側の室井は本来敵なんですよ。ただ、柳葉さんの情が乗り移ってきちゃったんで、表現として適切ではないかもしれないけれど、本当の悪役という意味での室井2号を用意しなければならず、筧さんが新城を見事に演じてくれた。でも新城も青島の毒牙に引っかかってこちら側に入り始めたので、さあ、真矢ミキさんの沖田の出番だと(笑)。最終的には小栗旬、小泉孝太郎、香取慎吾ら若き下士官のクーデターで締め括ろうと。

 そこで室井が気づくんですが、問題があるのは所轄じゃない、本庁だと。それで組織改革審議委員会を作るわけですが、官僚というのは正義だけじゃやっていけない。国民・市民じゃなくて、相手は国家ですから。本広監督が「室井は亀山自身だ」と言うけれど、僕はあんなに厳しくないし、孤高でもない。

 初めて話す話ですが、「室井慎次 敗れざる者」の冒頭で、室井が歩いてくるシーンがありますよね。これまでの室井の映像が一気に流れる。これは青島との約束を思い出させるためのものですが、僕にとっては社長を辞めるとき、任を解かれるときにわずか数メートルの廊下を歩いているときとリンクするんです。実際に色々なことを思い出した瞬間でもあったので、走馬灯のように編集してくれって監督にお願いをしました。

 あのフラッシュバックする映像をつけようと監督と話をしたのは、つまり「君はもういらない」と言われるとき、本人も薄々気づいてきているはずなんですよ。突然「えっ?」ではないはずだと。そういうことを言うから室井の分身だと言われるわけですが、あくまでも僕はサラリーマン代表というだけですよ(笑)。

 今回は社長である亀山氏が現場のプロデューサーを務めるにいたった経緯を中心に展開したが、次回はいよいよ「青島俊作」について、秘蔵ネタを披露してもらう。こうご期待。

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