【インタビュー】「ハーメルンの笛吹き男」から着想した「クラブゼロ」 ジェシカ・ハウスナー監督が紡いだ「操ることについての物語」
映画.com / 2024年12月5日 13時0分
(C)COOP99, CLUB ZERO LTD., ESSENTIAL FILMS, PARISIENNE DE PRODUCTION, PALOMA PRODUCTIONS, BRITISH BROADCASTING CORPORATION, ARTE FRANCE CINEMA 2023
名門校に赴任してきた栄養学の教師の指導の下、生徒たちは「意識的な食事(conscious eating)」に取り組み始める。あろうことかそれは、「何も食べないことが健康的」だという危険な教えだった――。ミヒャエル・ハネケに師事した気鋭監督ジェシカ・ハウスナー(「リトル・ジョー」)が、ミア・ワシコウスカ(「アリス・イン・ワンダーランド」)を主演に迎えたスリラー「クラブゼロ」が、12月6日に公開される。映画.comはハウスナー監督に、この衝撃的で鮮烈な物語について、話を聞いた。(取材・文/編集部)
栄養学の教師ノヴァク(ワシコウスカ)は、「意識的な食事(conscious eating)」という、「少食は健康的であり、社会の束縛から自分を解放することができる」という食事法を、生徒たちに教える。無垢な生徒たちは彼女の教えにのめり込んでいき、事態は次第にエスカレート。親たちが異変に気付き始めた頃には時すでに遅く、生徒たちはノヴァクとともに「クラブゼロ」と呼ばれる謎のクラブに参加することになる。生徒たちが最後に選択する究極の健康法とは? そしてノヴァクの目的とは――?
――本作は、「ハーメルンの笛吹き男」(※主人公は、ネズミの被害に困っていた町で、笛の音色でネズミを退治した男。しかし、町の人々は彼を冷遇してお礼もせず、その男は再び笛を奏でて子どもたちを連れていってしまう、おとぎ話)が出発点になっていると伺いました。同作からどのように物語を膨らませていったのか、教えてください。
「ハーメルンの笛吹き男」は、笛吹き男が、賃金を払わなかった親を罰するために子どもたちを誘拐するというおとぎ話ですよね。ある意味、親を罰するという物語のひとつの形に、興味がありました。親にとって1番怖いのは、子どもを失うことで、それが弱点になりますよね。その笛吹き男はどう子どもたちを誘惑したのか、操ったのかという部分が、おとぎ話と本作の、基本的な共通部分です。本作自体が、操ることについての映画で、主人公ノヴァクが、ハーメルンの笛吹き男のような存在になるわけです。彼女はいかにして、子どもたちを従えるようになったのか。それはすごく現代的なトピックでもあると思います。
――前作「リトル・ジョー」のインスピレーションのひとつは、フランケンシュタインでした。ハウスナー監督は、映画製作・脚本執筆の出発点として、寓話やおとぎ話などから着想されることが多いのでしょうか。またハウスナー監督の作風として、そうした寓話やおとぎ話のような要素がありながらも、前作だと遺伝子組み換え植物、本作だと“意識的な食事”という、どこか未来的なテクノロジーや考え方への懐疑的な視点を持っていらっしゃることも印象的です。
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