「ペパーミントソーダ」1960年代パリの女子校、男の子やセックスに興味津々の女子たちの日常と揺れる心 ディアーヌ・キュリス監督に聞く
映画.com / 2024年12月17日 9時0分
――姉妹役のエレオノール・クラーワインとオディール・ミシェルがとても瑞々しく魅力的です。ふたりとも新人だったと思いますが、オーディションで見つけたのですか。
「はい。撮影は夏のバカンス中で、7月頭にパリに居たできるだけ多くの女の子に会いました。学校の生徒役として多くの子どもが必要だったのです。そのなかで会ったオディールは、すぐに姉のフレデリック役に向いていると思いました。一方、妹のアンヌ役はとても難航しました。ぴんと来る女の子が全然いなかったのです。そんなとき誰かがエレオノールのモノクロの写真を見せてくれたのです。でも連絡を取ると『彼女はすでにバカンスに出ていてパリにいないから、パリには戻らないだろう』と言われて。でもどうしても会いたいと思い、粘って交渉して、パリに来てもらったのです。事務所に入ってきた途端、彼女だ!と思いました。セリフを読む前からわかったのです。エレオノールは内向的でどこかミステリアスなところがあり、それがこの役にぴったりでした。この映画にとって彼女の功績はとても大きい。オディールもエレオノールも、本作のあとしばらく映画を続けて、その後オディールは演劇の方に行きましたが、エレオノールは家庭を持って引退しています」
――新人の彼女たちからどのようにあの瑞々しい演技を引き出したのでしょうか。何か思い出深いエピソードはありますか。
「彼女たちができるだけナチュラルにいられるように、気を配りました。演技をするというより、彼女たち自身でいて欲しかった。もちろんセリフは練習して覚えてもらいましたが、できるだけフレッシュでいられるよう、テイクを少なくするなど工夫をしました。わたし自身も俳優たちも、みんな若かったし、バカンス中の撮影だったので、どこかみんなでバカンスを過ごしているような気分でした(笑)。撮影はわたしが実際に通っていたリセでやりました。夏のあいだ誰もいないので自由に撮影できました。ふだんのリセは牢獄のようですが(笑)、撮影は楽しかった思い出しかありません」
――映画に出てくる教師たちは、みんなお堅くて厳しいですね。当時はあれがふつうだったということですね。
「そうです。今日の先生たちはきっともう少しクールだと思います(笑)。映画を公開したとき、観客の方からよく、わたしの学校も先生がみんなこんな感じだったと言われました。当時は女子校が多く、先生たちはとても威圧的でした。その後1968年の5月革命を迎えてずいぶん変化しました」
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