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2024年の中国映画市場における日本映画は大ヒット? それとも……? アニメと実写で明暗分かれる【アジア映画コラム】

映画.com / 2024年12月21日 16時0分

 2つ目の理由は、日本映画、特に日本アニメーション映画のブランド力です。

 日本のアニメ映画は、ハリウッド映画に続いて、中国で最も信頼されている“海外映画作品”です。昨年の「すずめの戸締まり」「THE FIRST SLAM DUNK」の大ヒットによって、日本アニメ映画のブランド力はさらに強化されたと思います。

 中国のバイヤーの間では、日本のアニメ映画への関心度はさらに高くなっていますし、日本アニメ映画のセールス担当もいち早く中国側と連携を取り、積極的に中国市場に進出しています。

 今年の大きな特徴のひとつが、上映日程がより早くなっていること。これまで中国における日本映画の公開は、日本での封切りから半年、あるいはさらに長い期間を空けて、中国で公開するというパターンが多かった。こうなると海賊版の影響が大きくなり、口コミの良い作品、有名監督の作品以外は、ほとんど悲惨な興収で終わってしまいました。

 しかし、昨年の「すずめの戸締まり」「THE FIRST SLAM DUNK」は、日本での封切りから3、4カ月後に中国で公開されました。海賊版に影響されにくいタイミングですし、作品自体も非常に出来が良かったので、素晴らしい興収を記録しました。

 このような成功例もあり、今年中国で公開された日本アニメ映画の大半は、日本での封切り後、3、4カ月以内に中国公開を実現させています。たとえば、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」は7.91億元(約162億円/現時点で2024年中国における外国映画の興収ランキング2位)を記録。

 その他の事例としては「劇場版 SPY×FAMILY CODE: White」(2.93億元=約60.1億円)、「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」(2.86億元=約58.7億円)、「映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)」(1.3億元=約26.7億円)、「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」(1.29億元=約26.5億円)、「映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」(1.16億元=約24.3億円)、そし中国初公開となった「ハウルの動く城」(1.67億元=約34.3億円)。今年興収1億元を超えた日本映画はすでに7本となっており、この数字は“史上最多”です。また「ルックバック」(5350万元=約11億円)、「劇場版ブルーロック EPISODE 凪」(3344万元=約6.9億円)も健闘し、中国における日本アニメ映画の注目度はどんどん強まっています。

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