1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 映画

「ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い」神山健治監督に聞く、手描きアニメーションならではの強み

映画.com / 2024年12月25日 10時0分

「ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い」神山健治監督に聞く、手描きアニメーションならではの強み

 「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ初となるオリジナル長編アニメーション映画「ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い」が、12月27日から公開される。監督を務めたのは、「東のエデン」「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」「精霊の守り人」などの神山健治。絵コンテも全て自ら手掛けた神山監督に、キャラクター作りや、アニメーションならではの強みを聞いた。

 本作は、J・R・R・トールキンによるファンタジー小説「指輪物語 追補編」の一部である、ローハンの最強の王ヘルムについての記述をふくらませたオリジナルストーリーを描く。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズを手掛けたピーター・ジャクソンが製作総指揮、「Studio Sola Entertainment」がアニメーション制作を担うほか、VFXプロダクション「WETAデジタル」が全面協力。全編手描きのアニメーションでありながらもシリーズの世界観を忠実に再現している。

【あらすじ】

誇り高き騎士の国ローハンは偉大なるヘルム王(CV:市村正親)に護られてきたが、突然の攻撃を受け平和は崩れ去ってしまう。王国の運命を託された若き王女ヘラ(CV:小芝風花)は国民の未来を守るべく、かつてともに育った幼なじみでもある最大の敵・ウルフ(CV:津田健次郎)との戦いに身を投じていく。

■原作小説に書かれていたのはたった1行だけ 主人公・ヘラはどのように作られていった?

――原作に書かれた騎士の国ローハン最強のヘルム王についての記述をふくらませ、映像化されました。どのような経緯でヘルム王の逸話に着目し、ヘラを主人公にしたのでしょうか。

 ヘルム王は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズファンの間では有名な伝説の王だったので、彼のエピソードを選ぶのは面白いと思いました。映画としてのサイズもちょうどよかった。1本の映画なので、「ロード・オブ・ザ・リング」3部作みたいに大きな話よりも、ローハンの“人間”たちにフォーカスして作れるので。

 原作(日本語版)でヘルム王について書かれていたのは6ページでしたが、その部分をふくらませるにあたり、ヘルム王だけだと映画にならないとも思いました。事象だけが書き記されているので、ヘルム王の内面がわからない。途中で死んでしまいますしね。そこで物語の最初から最後までヘルム王の行動を見とどけた人が必要になると思ったんです。

 原作でヘラについて書かれていたのは、冒頭たった1行だけ、ウルフに求婚されるもヘルムが断ったと書かれて人兄弟がいて、一人が女性。そして生死は記されていない。ならこの女性を主人公にすると原作者のトールキンの世界観も補完できると思いました。原作にしっかり明記されてはいませんが、おそらく、女性が王位をつぐことなどは許されない時代だったんだと思います。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのエオウィン姫も剣を持つことが許されず男に変装して戦っていたので、そういった世界観も補完しつつ、ヘルム王の顛末を見届けるキャラクターとしてヘラが生まれました。映画側が生み出したオリジナルキャラクターというよりは、追補編にも書かれていないけれど史実はこういうことだったんじゃないかというように、原作をリスペクトした形でオリジナルキャラクターを作ろうと考えました。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください