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大泉洋、芸能生活30年を迎えて願うこと。そして明かす時代劇への思い【「室町無頼」インタビュー】

映画.com / 2025年1月15日 12時0分

 入江「研究者や大学の先生に取材をして調べていくと、意外とアナーキーな時代で封建制度もそれほど確立されていなかったということがわかりました。それで、描く自由度はあるのかなと気が楽になって、『マッドマックス』のような世界観でもいいのかなと舵を切れました」

 須藤「文献を相当読み込んでいましたよね」

 入江「7年くらい室町や日本の中世についてずっと調べていました(笑)。身分が固定化されていない時代で、江戸時代のような武家社会でもなく、人々が色々な階層を行き来できた時代だととらえています。大泉さん演じる役も階層を明確にし難いけれど、顔が広くて慕われている。その自由度も含めてぴったりだと思いました」

■改めて時代劇が好きになりました

 企画を成立させるために、度重なる製作延期にも決して諦めるという選択肢を持ち合わせていなかったふたりが、大泉の殺陣を絶賛していたことも記憶に新しい。大泉にとっても、太秦の剣会の殺陣師たちと行った厳しい稽古、実現までに8年もかかったことも踏まえ、思い入れの強い作品になったことは想像に難くない。

 「時代劇への愛情というか、改めて時代劇が好きになりました。現代劇では描けない熱が詰まっている。リアルといえばリアルだけど、ファンタジーでもある。だって、誰も室町時代のことなんて知らないわけですから。スタッフの皆さんも、そこを楽しみながら作っている。

 衣装に関しても、資料はあるんでしょうが工夫しながら遊んでいる。決まりがあるようで、ない。誰も当時の衣装を見た人なんていないわけですし。ヘアメイクディレクターの酒井啓介さんの作り出すメイクの世界もすごかった。現代劇であのメイクだとちょっと違和感がありますが、時代劇というパッケージの中では全てが収まる。時代劇でしか出来ない感情表現というものがありますよね」

 大泉が時代劇映画に出演するのは、「清須会議」(三谷幸喜監督)、「駆込み女と駆出し男」(原田眞人監督)、「新解釈・三國志」(福田雄一監督)、そして今作と4本目になる。個性の異なる監督との仕事を経験したからこそ、現代とは異なる虚しさ、儚さ、潔さに惹かれるものがあると明かす。

 「現代よりも死というものが身近ですし、考え方も野蛮といえば野蛮。寿命も今よりも短いし、風邪をこじらせても死んでしまう時代。ましてや武士の世界なんて、簡単に命を捨てないといけない時代だった。大きな決まりがあるから、その中でしか表現できないものがある。『こんなことで死ななきゃいけないの?』っていう。でも僕らは『この時代、この武士は死ななきゃいけないんだ』という不条理な切なさを把握しながら見るわけですよね。美しさといったら語弊があるけれど、虚しさ、儚さ、潔さと言いましょうか、そういう点でも興味深いですよね。もちろんお金も時間もかかるから、昨今は大がかりなものを作り難くなってきているけれど、これからも日本の時代劇が続いていけばいいなあと改めて強く感じました」

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