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松たか子と松村北斗が紡ぐ、どこまでも軽妙洒脱な会話の行き着く先【「ファーストキス 1ST KISS」インタビュー】

映画.com / 2025年2月5日 18時0分

 松:塚原監督は、坂元さんの脚本を、「こうなんじゃないか、ああなんじゃないか。こうできるかな、どうできるかな」と、常に考え、チャレンジされていて、見ていてすごく面白かったです。塚原監督は、あふれるようにアイデアを出される方。次々と出てくるのがすごいんですよね。坂元さんもそれを楽しんでいたからこそ、タッグが実現したと思うので、刺激的な出会いだったんじゃないでしょうか。

 松村:塚原監督は、言語化がうまくて、速いんです。だからたくさんの言葉で伝えてくれる。僕はとにかく相談の回数が多いし、分からないときは何度も聞くし、言葉が難しすぎて「ごめんなさい。どういうことか分からないです」と言うほうで。でも塚原監督は、また別な言葉やたとえを使って説明してくれるんですよ。「とりあえずやってみてください」という突き放し方は絶対にしない、ある意味、愛情深い演出をされる方だと思いました。

 坂元さんと、塚原監督は、おふたりとも全然異なるエンタメ性とリアリズムの描き方を持っていらっしゃるので、それを共存させたことで、どちらにもないすごく素敵なものが生まれた感じがしました。

――松さんは「松村さんのおかげでカンナとして居ることができました」。松村さんは「坂元さん作品の常連である松たか子さんのサポートのおかげで、毎日ヘトヘトになるまで作品と向き合うことができました」とお互いにコメントされていますが、お2人だからこそ役になりきれたと思った瞬間や、また現場でのお互いの印象を教えてください。

 松村:本人を目の前にして何ですが、まず松たか子という存在の大きさに屈するんですよ。ましてや夫婦役。どうしたものかと、正直、最初は「出たとこ勝負」みたいな気持ちでした。でも、そのハードルを乗り超えさせてくれたのも松さんなんです。「気さくなお人柄」だけでは言葉が足りない気はしますが、にじみ出る、この人について行ったらなんとか乗り切れそうだという雰囲気が、初対面のときから圧倒的にあったんです。

 松:怖いこと言わないで。

 松村:駈には、どこで力が抜け、どこで熱がこもるのか、掴みきれないところがあるので、常にカンナがああいうテンションでいてくれるのは本当にありがたくて。だから安心して演じられたんだと思います。松さんは、もう残された選択肢は一つしかないところまで導いてくださった。松さんじゃなかったら、僕はどうなっていたんだろうと思います。

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