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松たか子と松村北斗が紡ぐ、どこまでも軽妙洒脱な会話の行き着く先【「ファーストキス 1ST KISS」インタビュー】

映画.com / 2025年2月5日 18時0分

 松:初日、衣装合わせとカメラテストだったと思うんですが、松村さんがものすごくたくさん喋ってくれて。めちゃくちゃ気を遣ってくれたんでしょうね。とても疲れたと思いますよ(笑)。

 松村:恥ずかしい話はもういいです。松さんは僕のことを「輪郭がある人」だというんですよ。

 松:初めてお会いしたときの印象が、思っていたよりも「輪郭がある人」だったという話なんですけどね。いい意味で(笑)。

 松村 「輪郭がある人」ってどういう意味だと思います? まだ誰も解明できていないんです(笑)。僕も、5回ぐらい聞いたんですけど。

 松:透明感溢れる、繊細でナイーブな人なのかと思ったら……。

 松村:普通の男性が来たと?

 松:いや、違います。思ったより、しっかり「輪郭がある人」が来た(笑)。

 松村:ガタイがよかったという意味ですか?

 松:うん、それもあるのかも。フラッと倒れちゃいそうではないしっかりした人。ご一緒するにあたって、私で大丈夫なのかなと思っていたんですけど、輪郭のはっきりした人だったので安心感があったんですよ。

 松村:初めて安心感という言葉が出ました(笑)。一つ謎を切り崩せた気がします。公開初日までに、あと3回ぐらい聞くと理解が固まるかもしれません。

■夫婦関係が破綻した2人にはなくて、修復されていく2人にはあるもの

――この作品では、冒頭、あっという間に関係が悪化していく夫婦を見せられます。でも、駈を助けようとカンナが何度もタイムトラベルを繰り返すうちに、関係性は少しずつ修復されていきます。ただ、2人の性格が変わっているわけではない。夫婦関係が破綻した2人にはなくて、修復されていく2人にはあるもの、それは何なのか、どんなふうに理解して演じていましたか?

 松:難しい(笑)。カンナでいうと、たぶんあの人自身は最初から最後まで、どの次元でも全く変わっていなくて、ただ〈伝えなければいけないこと〉を、伝えられたか、伝えられなかったかの違いだと思います。次なるページがどうなるかは、何を伝えたか、何を言わずじまいだったかで変わるのだと。

 私自身は、こうしたら人生が変わるという何かを、知りたくないのかもしれません。それが分かっていたら、やり直したくなるでしょうけど、人生はやり直せない。やり直せない前提で、やり直す話を演じるのがいいのかなと。そうでないと今を生きているのに、楽しくないじゃないですか。強いて言えば、自分にがんばれというエールを込めて演じていました。

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