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クリス・サンダース監督「野生の島のロズ」で貫いた“原作映画化”の工夫 「となりのトトロ」どこが好きなのかも聞いてみた

映画.com / 2025年2月9日 13時0分

――「ヒックとドラゴン」も原作のある映画でしたね。“原作を映画化する”という手法について、大切にしていることはありますか?
今回は原作における精神、核の部分を保持したいと考えていました。そのために削らなければいけない部分というのがたくさんありましたね。

本というものは“船”のようだと思っているんです。たくさんの情報を載せることができるから。ですが、映画というものはもっと“軽量”でなければなりません。限られた尺の中で物語を伝えていかなければなりませんから。全部入れたいと思っても、単純に時間が足りないんですよね。

だからこそ、大事なものをしっかり描くためにも“トリミング”が必要になってきます。例えば、削ったキャラクターとして、原作では人気のあるリスがいたり……興味があれば、何故削除したのかをお話ししてもいいんですが、かなり時間がかかると思います(笑)。

――取材時間も限られているので、また別の機会にしましょう(笑)。

(笑)。あと、原作にはクマが3体出てくるんですが、映画では1匹に統合したりもしています。この映画に関しては(ストーリー展開が)“駆け足”のようにはしたくなかったんです。ロボットが迷子になっているという状態を、リラックスしたペースで描きたかった。ですから、この“トリミング”によって、それが実現でき、自分の求めていた柔和さを生じさせることができたと思っています。

●育ての親が“孤独の原因”だったという要素について「はっきりと書くことが重要でした」

――とても細かな点かもしれませんが……ロズがキラリを“愛する者”でありながら、彼の孤独の“原因”にもなっているという部分にも注目しました。

 原作を初めて読んだ時から、その点は興味深い点だと思っていました。もともとの“原因”は、ロズが巣にぶつかってしまったことです。映画化に際しては、そこをぼやかすのではなく、むしろはっきりと書くことが重要でした。キラリは、そもそも同種族の中では体も小さく、生き長らえることが難しいタイプです。自然界の中での生存率はもともと低かったでしょう。

 渡り鳥のリーダー・クビナガには、こう諭されます。「そういうこと(ロズが巣にぶつかったこと)があったからこそ、君は今生きていられる」と。そして、キラリ自身もロズと同様のことを繰り返してしまいます。彼が原因となって“犠牲”が生じてしまう。ある種の繰り返しが、この映画には存在しているんです。

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