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クリス・サンダース監督「野生の島のロズ」で貫いた“原作映画化”の工夫 「となりのトトロ」どこが好きなのかも聞いてみた

映画.com / 2025年2月9日 13時0分

(本作のアートブックに掲載されている劇中シーンを示して)“宮﨑さん”から受けたインスピレーションを全部出したという瞬間がここですね。映画の中でも“宮﨑さん”的なシーンをひとつ作りたいと思っていて、このシーンだったら「“宮﨑映画”になりそうだな」と感じたんです。

●「となりのトトロ」が大・大・大好き!→どこが好きなのか聞いてみた

――1月20日に行われた日本語吹き替え版完成披露試写会では「『となりのトトロ』が大好き」とお話されていました。具体的に、どのような部分が好きなのでしょうか?

 (悩みに悩みに抜いた後)――2人の少女の視点を通じて、田舎に引っ越し、新しい家で暮らし始めて、ちょっと奇妙なことがいっぱい起きていく。奇妙な事象であったり、それが起きる順番も魅力的なんですが、何と言っても雨の中の“バス停のシーン”ですよね。ここが本当に素晴らしい。

 あのシーンには、他の映画では見たことがないようなユニークなものを、時間をたっぷりととって描いています。トトロの登場の仕方も印象的で、サツキがメイを背負っているから、 最初は全身が見えないんですよね。指先だけが見えて、少しずつ全貌がわかっていきます。

 この見せ方が、本当に効果的だったと思いますし、映画的構造としてこれを選んでいらっしゃるからこそ、そこには魔法が宿ったという風にも思うんです。キャラクター自体も素晴らしい描き方をされていますが、それだけではなく、カットの作り方やペースだったりにも素晴らしさを感じています。

●映画のオリジナルキャラ“ヴォントラ”に施した仕掛け

――そろそろ取材時間も無くなってきましたので、最後の質問を……実は、物語終盤に登場するヴォントラ(行方不明になっていたロズを見つけ出し、回収するために島へとやってきたユニバーサル・ダイナミクス社のロボット)が好きなんです。このキャラに関するエピソードをお聞かせいただけますか?

 ヴォントラは原作にはいない映画オリジナルキャラなので、名前を挙げていただいて非常に嬉しいです。

 原作には、ロズを迎えに来る役目を負った怖くて大きなロボットがたくさんいるんですが、ヴォントラを出したきっかけは、会社を代表するようなロボットが必要かなと考えたことです。デザイン面に関しては、どこかロズを想起させるようなところを意識していますし、物語終盤に登場するキャラクターでもあるので、最初から細かく説明をしなくても“どんなキャラクターなのか”という点がすぐにわかるような仕掛けを施しています。

 ロズは「なんだかハッピーそうだね?」と話しかけるですが、ヴォントラは「いや、これはプログラミングだから」と言いますよね。これは自分のターゲットの緊張をとくために、そう仕組まれている――そんなことを言うので、彼女がどんな目的を持ったロボットなのかがすぐにわかりますし、英語版で声を当ててくれたステファニー・スーも“ヴィラン”を楽しんで演じてくれていました。

 アメリカでは、1幕、2幕、3幕仕立てで脚本を作ることが多いんですが、これまでの経験上、3幕に突入した段階では、観客も展開にちゃんとついてきてくれます。なので1幕目、2幕目に比べると、より大きな飛躍をしたとして問題がないという点は、ひとつの発見でもありました。

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