菊池亜希子×三根梓 対談、初共演作「海のふた」の魅力を語る
Entame Plex / 2015年7月21日 12時0分
菊池「ちょっとガサツでおてんば気質な“まり”の自然に出てくる動きが難しく、1度考え出すとギクシャクしたりして……。そういうときに監督が適切なヒントを投げかけてくれました」
――都会を離れて自分の好きなことで生きていこうとする女性を演じて感じたことは?
三根「潔い生き方でかっこいいなと思いました」
菊池「東京に出て、自分の中では負けたとは認めたくないけど、挫折を味わい、ある意味消去法みたいな感じで故郷を選んだのかもしれないけど『それの何が悪いの!?』ってことを、わたしもこの年齢でようやく気付けた気がしていて。何かを目指して東京に出てきて、行き場が無くなったときに、選択肢の中で故郷に戻るというのは決して負けではなくて、そこからもう一度立ち直そうという生き方はすごく尊いと思います。この作品は、そうした自分にかけていた負荷をちょっと下ろして、負けではなくて認めてあげること、“これでいい”って思えるひとつの生き方を見出していて、多くの人に勇気を届けられるのではと感じています」
――綺麗事だけじゃない現実的な部分も見えてきますよね。
菊池「30歳前後の世代的にとっては、こういう問題って決して他人ごとじゃなくて、わたしの周りにもたくさんいます。ずっと目指していた夢を諦めて、生きる場所を変えたからといってそこからスムーズに進むわけじゃないですし、むしろ勝負はそこからですよね!? でも、そこで方向転換をした勇気にわたしはエールを送りたいと思うんです」
――そういう生き方も見どころのひとつとなっている作品ですね。
三根「穏やかな暮らしとともに、だからこそ直面する過疎化など現実的な問題も丁寧に描かれていて、迷いながらも新たな一歩を踏み出そうとする“まり”と“はじめちゃん”の姿に何かを感じていただき、作品を観た皆さんが一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです」
菊池「“自分が好きなことをして生きていくことの過酷さ”や、“自分の人生を、どんな場所で何を大切にして生きていくのか”というような、人が生きていく上での本質的なテーマが色鮮やかに描かれています。観終わったあと、自分自身の物語に想いを馳せてもらえたら嬉しいなと思います」
映画「海のふた」は、新宿武蔵野館ほか全国公開中。
配給・宣伝:ファントム・フィルム
© 2015 よしもとばなな/『海のふた』製作委員会
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