1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

紀里谷和明が“命を失ってもいい”とまで言い切る、最も大事なこととは……

Entame Plex / 2015年11月13日 17時0分

――そのためには、様々な手段でその方向に持っていくこともある?

「もちろん。みんな現実世界でもお芝居をしていると思うんですよ。その芝居をなくしていく作業が映画や写真の世界だと思う。僕にとってはその方がリアルだと思うし。芝居をしているんだけど、芝居じゃないことをするというか」



――芝居の中で垣間見える、芝居じゃない部分?

「写真撮影の際には対象と会話をしながら撮るわけだけど、そこで僕は芝居をしているということを削ぎ落としていく。そして、丸裸になったところでシャッターを切る。映画も同じことなんですよ。もちろん芝居をする中で、演じるキャラクターになっているわけだけど、そこでその人本人が出て来ることもあるし、そのキャラクターそのものが出てくることもある。僕はそこを追求しているんですよね。それは恋愛も同じことだと思ってて、初めてデートするときはみんな芝居しているわけですよ。お互い良いように見せたいから。そこからある種の嘘が始まる。それはキレイな嘘でもあるんだけど、最後まで突き通すことは不可能なんです。そして、その先に真実がある。僕は人との関係性もそこしか興味がない。相手の醜いところやダメなところまで含めて見る。それでいいんじゃないかと思いますね。以前なら、形としてキレイに加工していたけど、今はそれが撮れれば絶対に人にリーチできる、繋がるっていう信念がありますね」

――では、紀里谷さんなりの今作の見所は?

「作り手からすると、最初から最後まで見てほしいけど、やっぱり何が大切なのか、それをちょっとでも感じてもらえたら。映画館を出た後にお母さんに電話しようとか、彼氏に会おうとか、そういう感覚に陥ってほしいかな。“ほしい”って言っちゃうと僭越なんだけど、やっぱり僕らは何かを届けようと思って作ってますし」

――紀里谷さんの作品、これまでの三作を見る限り、日本の古き良き物語を大事にしているのかなと思ったんですが。

「それは、全世界で大事にされているものだと思いますね。よく侍魂、侍の心とか言うけど、その本質は何なのかと言えば、僕は愛、人のことを思うってことだと思うんですよ。日本人が好きな“おもてなし”という言葉も他人のことを思うことだし。そして、そこには自分がいない、つまりエゴがない、すなわち愛なんですよ。では、それが海外にないかと言えばあるし。キリストなんて水をワインに変えておもてなしする、超思いやりのある人ですからね(笑)。だから、これが日本的なのかと言えば、それは日本人が見るからそうなるだけ。イランの人が見たら、イラン的だねって言ってくれるかもしれない、でもそれが僕には重要なんですよ」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください