lecca“最新作が一番だって思える自分でありたい。そう思えなくなったら辞める”
Entame Plex / 2016年1月28日 20時12分
「めちゃくちゃあります(笑)。でも、それをこらえて聴き直すことで得るものもあるんですよ。昔は拙いし細いんですけど、強い。今は今で図太くなってるんですけど(笑)、当時は弱々しい中で頑張って強くなろうとしていて、なおかつ芯のようなものがあるというか……それは独りよがりだったかもしれないし、単なる強気かもしれないけど、そこには間違いなく今より若い、迸るエネルギーみたいなものもあるんです。それは今の私には出せないものだったりするので、すごく勉強になったりするんですよ。例えば『ちから』とかもすごく歌詞が強くて、今の私が聴くと説教されているみたいで嫌な気持ちになることもあるんですけど(笑)、言って欲しかったなっていうことがいろいろ詰まっていたりして」
――『ちから』は2010年あたりですね。当時は相当強かった?
「怖いものがない時期だったかもしれないですね。私も年を経て、子どももできて、いろいろな変化があって、見える景色も変わって丸くなったと思うんです。そうなると攻撃性は失われて、むしろ博愛主義、人類愛的なところが伸びてきて『ねがい』(新曲)のような曲もできるんですけど、当時はちょっととんがって強かった時期だったんですよね。今は当時ほど強い気持ちにはなれないけど、今は今で当時持ってないものもある。そうやって人生と一緒に歩める曲があるのは、シンガーソングライターならではの強みですよね。恥ずかしさがありながらも、当時の自分も今の自分もどっちも自分であり、それでいて結局私は最新の自分が一番好き。アルバムも『tough Village』と『前向き』が一番好きなように『パワーバタフライ』は強いし、『BIG POPPER』も楽しいんですけど、レゲエ回帰ができた『tough Village』とポジティブな気持ちを思い出させてくれた『前向き』が自分の中ではやっぱりトップなんですよ。そして、これからも最新作が一番だって思える自分でありたい。そう思えなくなったら辞めるし、そう思い続けるためにも今回はベストが必要だったと思うんです。7月に子どもを生んでツアーをやって、そこからすぐに次のアルバムを作るとなると多分テンパっちゃって、どこか妥協が生まれてくる可能性もあって。アルバムはちゃんと作りたい、だからこそベストで一度時間をおかせていただいて、次の作品も余裕を持って挑みたかったんです」
――今回の作品の中で、アーティスト人生の転機になった曲というと?
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