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遠藤新菜“身をもって形にすることが出来た” 映画『無伴奏』のエマ役で魅せた覚悟

Entame Plex / 2016年3月30日 7時0分



――矢崎監督の現場で印象に残っていることは?

「私は他の皆さんほど演技経験がなかったのですが、矢崎監督はあまり指示されない方で、“今のは何がダメだったんだろう”って考える時間を設けてくれたような気がします。『ココはそうじゃなくて、こうやって』と言われるままにやるだけだと結局考えないまま物真似して終わりだし、それでは何も身にならなかったと思います。矢崎監督のスタンスは色々考えながら作れる環境でしたし、私にとっては物凄くありがたかったです。クランクアップした時に監督が“エマ役は君にしか出来なかった”と言ってくれたのがすごく嬉しかったです」

――矢崎監督にも絶賛され、クランクアップを迎えた時の達成感は言葉にいい表せないくらいだったのでは?

「クランクアップして泣くということ自体、今まであまりなかったんですけど、エマのラストシーンが終わった瞬間に号泣してしまいました。声を出して泣くというより、じっとしているのに涙が止まらなくて……、周りの人たちに隠しようがなくて、“ずっと泣いててすみません”みたいな状態で(笑)。矢崎監督がやさしくハグしてくれたんですけど、後日、監督とその時の話をしていたら“あの時の涙は、エマがずっと気を張って頑張ってきた涙が最後に溢れたんだと思うよ”って言ってくださって、本当にそうだったんだと思います」

――遠藤さんは、エマくらいの年頃の時はどんな学生でした?

「当時は、高校を卒業して19、20歳になってもそれほど変わらないだろうなって思っていました。響子(成海)みたいに“私だって大人よ”ってちょっと強がる気持ちがあったような気がします。ちゃんと社会に出て、成人を経てから振り返ってみると、10代だから許されるんだよっていうことがたくさんありましたね。私も学校に行ったふりをして友達と遊びに出掛けてサボったりしていましたし、今思うとその行動自体が子どもですよね(笑)。勉強して毎日学校に通える環境もそうですし、学生時代の青春って2度と戻ってこないよって当時の自分に言い聞かせたいです(笑)」



――今作ではバロック音楽がフィーチャーされていますが、遠藤さんが学生時代に夢中だったことや、よく聴いていた思い出の曲はありますか?

「中学から高校までインディーズでバンド活動をしていました。オリジナルでメタル系などもやったり(笑)。当時は物凄く憧れが強くて、どうしたらあのアーティストみたいにかっこよく生きられるんだろうとか、ずっと考えていましたね。ギターを練習したり、家でピアノを弾いて曲を作ったりしていました」

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