1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

女優・寺島しのぶが語る映画の魅力、それはただ見るのではなく“考えること”

Entame Plex / 2016年10月29日 12時45分

 女優・寺島しのぶが語る映画の魅力、それはただ見るのではなく“考えること”

女優・寺島しのぶが語る映画の魅力、それはただ見るのではなく“考えること”

編集者・宮本守とその友人の作家・村岡正夫。正夫はかつてヒット作「秋の理由」を生み出しながらも、いつのころからか小説を書くことができず、声を失ってしまった。そして、そんな彼を献身的に支える妻・美咲。そして、「秋の理由」をこよなく愛するミク。そんな4人の揺れ動く心と、少しずつ変化していく関係性を描いた福間健二監督の映画「秋の理由」。

今作で美咲を演じた寺島しのぶは、この映画について“久々に観客が豊かになれる映画だと思う”と話してくれた。
そして“映画のあり方を改めて感じさせられた”とも。
果たして、その言葉が意味するものとは……。

――いきなりですが、寺島さんは今作に登場している美咲の夫・正夫とその友人・宮本、どちらがいいなって思います?

「どっちだろうな……今の段階では宮本かな。だって正夫は辛いし」



――ですよね……でも、そんな正夫と美咲は結婚している。それは何でなんだろうって考えちゃいました。

「やっぱり作家としての才能、彼が書いた作品に惹かれた部分はありますよね。今は話せなくなってるけど、以前は違ったわけで。すごく楽しかったんだと思いますよ」

――それは映画には描かれていない部分ですね。

「そう。でも今は全然違う。そんな中でサポートしてくれる宮本がいて、美咲は彼に支えられている部分が結構あったと思うんですよ。正夫と宮本、2人の力関係は絶対的に正夫にあるけれど、彼は(小説が)書けないのを理由に3年も声を失って、いつ回復するかもわからない。そこで生まれた夫婦間の溝は宮本がいたからこそなんとかなっていたと思うんです。美咲は宮本に対して“ラブ”ではないけど間違いなく“ライク”。その中間にあったと思いますね。彼がいなかったら全部壊れていただろうし」



――確かに宮本は素敵な男性でしたね。

「映画では2人の男同士の友情が詳しくは説明されてないけど、それはすごく深い。宮本が正夫はまだ小説を書けると信じている姿もすごくいいなって思いますけど、奥さん(美咲)の立場からだとそれがまたすごくキツイはずなんです。最後のシーンでもすごく迷っていたわけで」

――ラストを含め、この映画はすごく想像力をかき立てるというか、考えさせられる作品でした。

「福間(健二)監督が“これが映画だ”って仰っているのがよくわかりますね。観客がそれぞれ好きに感じてもらって結構ですという感覚。行間も全部好きに想像してくださいっていうところが大人でかっこいいですね。今の映画は情報過多で、わかりやすいものが良しとされている。でも、これは久々に観客が豊かになれる映画だと思うんです。こういった映画はぜひ大事にしてほしいと思いますね」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください