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比嘉愛未の心を動かした大女優のある言葉とは?

Entame Plex / 2017年1月13日 19時30分



――人を癒すってやろうと思ってもできないですよね。

「ものすごく難しいと思います。それこそ八千草さんの生き方、今まで培ってきたものが溢れ出ているんだと思います」

――1ヶ月半に及ぶ撮影で、佐々部監督とのエピソードはありますか?

「佐々部さんの作品に出た役者仲間がみんな口を揃えて『絶対に一度は佐々部さんと仕事をした方がいい!』と言っていたので、いつか自分も佐々部さんとご一緒したくて、ずっと願い続けていたんです。作品はもちろんなのですが、たくさんの人に“そう言われる魅力は何なのだろう?”ってすごく気になっていました。現場では誰よりも熱くて涙もろくて繊細ですごくチャーミングで、役者にすごく寄り添ってくださる監督でした。その寄り添い方はそっと寄り添ってまた離れてという絶妙な距離感と心地良さなんです。佐々部さんとの現場はとても贅沢な時間で、かけがえのない大切な思い出になりました。また作品に呼んでいただけるよう頑張ろうと目標になりました。こうして話しているとまた会いたくなっちゃいますね(笑)」

――今作を通して感じたことは?

「人に対して優しくなれた気がします。家族や友達って愛情が深ければ深いほど、相手のためを思うがあまり感情的になって言ってしまうことがあると思うんです。ちょうどこの作品の撮影中に、ちょっとした行き違いで15年来の大親友と喧嘩していたんです。そんな矢先に、あるシーンで“相手の心に寄り添って相手が一番ほしいと思う言葉を届けてあげることが大事なんだよ”っていう台詞が自分に言われているような気がして……友達の言い分を聞いてあげられていなかったことに気付いて反省して、その日のうちに電話して“あのときはごめんね”って謝ったら、『わたしの方こそごめんね、でもあのとき愛未に聞いてほしかったんだよ……わたしの想いを』って言われたとき、2人してものすごく泣いてしまって、言葉って言い方ひとつでこんなにも変わるんだということをとても考えさせられました。この撮影の真っ最中に30歳の誕生日を迎えたり、いろんな意味で自分にとって大事なターニングポイントになったのかなと思います」



――今作は“言葉がもつ力”がひとつのテーマとなっています。最後に、比嘉さん自身心に残っている言葉ってありますか?

「もちろんひとつだけじゃなく、今までいろんなターニングポイントでたくさんの言葉がありました。今思い浮かんだのは、朝ドラ(連続テレビ小説『どんど晴れ』)でドラマデビューしたときに共演した草笛光子さんが新人のわたしを励ましてくださった言葉です。ひとりで悩んでいたとき、草笛さんに“1年近くこの役をずっと演じているのに、一向に成長していないし満足できないんです。どうしたらいいのか分からないんです”って弱音を吐いたら、草笛さんが笑って仰ったのが『 わたしは女優を50年以上やってきているけど1回も満足したことないわよ』って。まさにそのとき、目から鱗というかこの仕事の深さや草笛さんの凄さを感じたんです。“そうだ、 満足したら終わりだ”と思えたんです。だから、それからはどんな作品で何の役柄をもらって壁にぶち当たったとしても、その言葉を思い出すようにしています。これは今自分が乗り越えなきゃいけない壁だからこそきた課題であり、乗り越えるべきことなんだ。そうやって一歩一歩前に進むことで草笛さんのような素敵な女優さんになれるのかなって。草笛さんの言葉は、困ったときや自信をなくしかけたときにいつも降りてきますね。そうやって満足せず探求し続けて、いつかはわたしも若い後輩の子たちに対して、そっと手を差し伸べられたらいいなと思います」

土曜オリジナルドラマ「連続ドラマW 本日は、お日柄もよく」は、1月14日(土)よりWOWOWプライムにて放送スタート!(全4話/毎週土曜よる10時 ※第1話無料放送)

スタイリスト:後藤仁子
ヘアメイク:奥原清一(suzuki office)
衣装:ソブ(フィルム)、Shaesby(Shaesby 伊勢丹新宿店)

Photo by 竹内洋平

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