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伊藤智彦監督インタビュー「ラストバトルに注目して」

Entame Plex / 2017年3月24日 11時0分

――なるほど。

「今後は『君の名は。』のヒットを受けて、そのプロットにのっとった劇場オリジナル作品がどんどん生まれてくると思います。ただ、個人的にはあまりそうしたことに左右されずに細々と仕事を続けていきたいですね」



――監督から見た今作の注目点は?

「アクションシーンです。MX4D™などに限らず、劇場用に最適化された画と音にこだわりました。家庭環境では味わえない体験ができると思います。具体的にはラストバトルに注目してほしいですね。もう目を閉じることは許されない。まばたきするとカットに追い抜かれるというか。そこは目をかっぽじって観てほしいです」

――作品内で監督が好きなキャラクターは誰ですか?

「テレビシリーズではシノンという女性キャラが好きでしたが、劇場版ではオリジナルキャラのエイジですね。主人公と対立する役ですが、こいつが情けないやつなんですよ(笑)」



――情けないのに好きなんですか?

「例えば、彼が最初の戦闘のとき『ついてこい!』って走り出すんですけど、誰もついてこない。かわいそうなやつなんです。最初、俺は気にならなかったんですけど、あとでスタッフに『いつもここで笑っちゃう』って言われて。なるほど、結構イタい子なのかなって。俺はそういうキャラが好きで、主人公のキリトくんより親身になれますよね。奥さんにも『主人公の言っていることはよく分からなかったけど、エイジのほうが共感できる』って言われました」

――キリトよりそっちに感情移入する観客が多かったら面白いですね。

「若い人たちは強いキリトくん、アスナさんに共感すると思うんです。なんでもできる万能感を持った世代ですから。でも、大人は違います」

――違いますか。

「世代で感情移入するキャラって変わると思うんです。子どもの頃、『ファーストガンダム』を観てアムロ目線でのめり込んで、大人になって見返すとブライト艦長の中間管理職的な立場に共感するような」

――大人目線で観るとエイジに対して「分かるぞ!」って気持ちになると(笑)。

「はい。みんながみんないい思いをできるわけじゃないぞって。つらいところを多く背負っているキャラですね。彼目線で観ると切ない話になっちゃうかもしれませんが」

――細田守監督のアニメ映画『時をかける少女』や『サマーウォーズ』では助監督を務めましたが、細田さんから学んだことは?

「映画に立ち向かう姿勢ですね。テレビのエピソードを抜け出したものを映画と言って作るんじゃないよ、って。それ1本で劇場に来た人を満足させるものを作らねばならない、そしてエンターテインメントでなければならないと」

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