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ハイスピードな東京に乗っていく止まらないデザイン。グエナエル・ニコラに聞く、日本のデザインの未来【Interview】3/4

FASHION HEADLINE / 2015年7月19日 19時30分

グエナエル・ニコラさん

グエナエル・ニコラが手掛けたパフューム「キュリオシティエッセンス(CURIOSITY ESSENCE)」。300個限定で作られたこの香水は、同名のモノグラフ(作品集)のコンセプトが踏襲されている。「永遠は、一瞬一瞬に存在する」。空中に浮かんでいるかのような一滴がもたらす波紋。茶寮に向かう庭園をイメージした香りは、和菓子、緑茶、シナモンと白檀の香りとノートが変化する。日本的なデザインとは? ロングインタビューの第3章。


――あなたにとって、日本のデザインとは?

日本のイメージはミニマリストのイメージです。引き算のデザインだと言われているけれど、何もしなくても結果が出てくるようなイメージ。私はそれをマスなものでもそれができないか考えています。大きな物を作るときにも引き算をして、なるべく物を作らないデザイン。

――モノを作るときにはモノは作らない、禅問答のようですね。

いつもよくする比喩ですが、水の中に石を入れる時に、その石がどこに行くのか?を考えるのがアメリカ、その石が何なのか?どこの石なのか?が気になるのがフランス、水の波紋が気になるのが日本。国によってそれぞれなのですが、私もエフェクトが気になるのだけれど、石がなくても水の波紋は作れます。私がデザインで伝えたいのはそういうことです。

――初めからインテリアデザイナーを目指していたのですか?

僕は5人兄弟で一番上の兄が建築家、3番目の兄が映画のCGのムービーディレクターだったんです。だから2つの世界が融合されています。以前はデザイナーを目指すときリアルな世界を作るデザイナーになるか、バーチャルな世界を作るデザイナーになるか決めなければなりませんでした。自分自身はリアルとバーチャルの世界をどうコネクトするかを考えていました。最初は映画のアートディレクターになって、映画の中の世界を作りたかったのですが、1本の映画の世界を作り上げたら終わってしまう。そのことに疑問を持ち始めて、リアルなモノを作ることに意味があると思い、日本に来ました。日本は“リミット”がないでしょ。東京はデザインに制約がない。フランスは特に建築で新しい物を作ることはさまざまな制約があって難しいのですが。東京はその問題をクリアしています。地震があったり、コストが高くついたりと問題もありますけれど、デザイナーにとってはパラダイスな都市です。

――それはパリにいるときに分かっていたのですか?

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