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洋服のルーツを横に広げるんじゃなくて、下へ下へと掘り下げていく--山下裕文×小暮昌弘2/2【INTERVIEW】

FASHION HEADLINE / 2015年10月24日 21時0分

洋服のルーツを横に広げるんじゃなくて、下へ下へと掘り下げていく--山下裕文×小暮昌弘2/2

“伝説”といえるショップ「プロペラ」で、バイヤー・プレスを担当し、現在は自身のブランド・モヒート(MOJITO)のデザイナーを務める山下裕文が、『メンズクラブ(MEN'S CLUB)』の元編集長・小暮昌弘を聞き手にブランドルーツを語る。

小暮:山下さんは熊本ご出身ですよね。東京にはいつ出られたんですか。

山下:高校卒業して、服飾の専門学校に行ったのが、18歳のときです。

小暮:最初に勤められたのが「プロペラ」?

山下:いえ、東京に出てきて服飾の専門学校に3年通い、その後半年間、スタイリストのアシスタントをして…。

小暮:「プロペラ」に入ろうと思ったのはどういう理由なんですか。

山下:当然僕も服好きの男だから、洋服のルーツを、横に広げるんじゃなくて、下へ下へと、掘り下げていくわけです。熊本や東京で、僕が見たり、買ったり、触ったりしたものって、ほとんどアメリカの服なんです。「プロペラ」に入ったのもそういった理由から。当時「プロペラ」は、ほぼ全部がMade In U.S.Aで。僕らにとっては、宝石箱みたいな店でしたからね。ここに1日中居られればいいなと、思っていましたから(笑)。

小暮:その後はいくつかのショップやブランドのコンサルティングなどを経験し、フリーランスになって、2010年にモヒート(MOJITO)を作ったわけですね、ヘミングウェイをテーマに。僕らの世代だったらヘミングウェイは、すぐイメージ出来るんですけれど、若い人には、ヘミングウェイという存在は、もう昔に亡くなっているし、遠いじゃないですか?今山下さんの服を買ってくれる人たちは「モヒート=ヘミングウェイ」と意識してくれますか?

山下:それがイメージしてくれているようです。北海道とか京都とか、同じ場所に毎年2回トランクショーに行くのですが、僕の洋服をきっかけにしてアーネスト・ヘミングウェイに興味を持ってくれたという話をよく耳にします。「この間(山下さんが)話されていた、あの本を読みました!」とかお客さんが言ってくれるんです。

小暮:「アルズコート」だったら、モデル名の由来になったアルが登場する『殺し屋』(1927年発表)を読んでくれるわけだ。それは素晴らしい!ここ数10年くらい、洋服は消費されていく傾向が強いですね。次々と流行が変わったりして。でも男の服は、そうじゃなくてもいいような、気がします。もしかしたら買う側は普遍性みたいなものをモヒートに見ているのかも。そういえば、身幅が大きくて、着丈が短めの変わったセーターを作っていますね。

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