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曽祖母から孫娘へ受け継がれた味、ユリおばあちゃんのタルト・タタンを求めて【京都の旅】

FASHION HEADLINE / 2016年1月3日 15時0分

タルト・タタン(690円)

京都・平安神宮の隣に、まるでフランスのお菓子屋さんの様な可愛らしい佇まいのお店「ラ ヴァチュール」はある。木製の扉を開けると、ふんわりと甘い香りが立ち込める。モザイクタイルの床と白い壁、そしてアンティークの丸テーブルで統一されたレトロな雰囲気の店内は、日の光が心地の良く気持ちが良い。

ラ ヴァチュールは、大正生まれの松永ユリさんが作るタルト・タタンのお店。ユリさんが、昔フランスへ旅行に行った時に食べたタルト・タタンに感銘を受け、その味を独自のレシピで再現したそう。その味は、本場フランスでも評価され、タルト・タタン協会から表彰される程だという。

そのタルト・タタンには、1ホールに約20個もの林檎を使用。林檎はバターと砂糖で飴色になる迄、4時間以上かけてじっくりとキャラメリゼされ、その上からタルトの生地をかぶせて焼き上げる。それをひっくり返しタルト・タタンが完成する。宝石の様にキラキラした表面からタルトの土台まで、カラメル色の綺麗なグラデーションがとても美しいタルト・タタン。その味は、とても濃厚で酸味と甘みのバランスが丁度良い。そして林檎のトロトロに煮詰められた部分と食感が残った部分の口当たりも最高だ。タルト・タタンに添えられたヨーグルトソースがカラメルの甘さと良く絡み、ホッとする優しい味わいだった。

一昨年、92歳で惜しまれながら亡くなられたユリさんは、いつも店内の席の片隅に腰を掛けていたそう。その席には、今もなお「reserved」と書かれた札と、タルト・タタン協会からの勲章を首に掛けた、幸せそうな笑顔のユリさんの写真が飾られている。そこではユリさんが今もタルト・タタンを美味しく食べるお客さんの顔をみて微笑んでいる様に感じられた。そして、30年以上守られてきたラ ヴァチュールの味は、孫娘の若林麻耶さんによってしっかりと受け継がれている。タルト・タタンに込められた林檎のように、家族の愛がたっぷり詰まったお店だ。

取材協力 /
ラ ヴァチュール (La Voiture)
TEL:075-751-0591

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