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東急プラザ銀座に新店舗をオープンしたコンセント、パリ在住20年のバイヤー湯沢由貴子のセレクト眼【INTERVIEW】

FASHION HEADLINE / 2016年5月10日 20時0分

湯沢:パリコレのチケットを入手するのはいつの時代でも難しいですね。クレージュのショーを見ることができているのも、現在デザインを手掛けているデザイナーのアルノーとセバスチャンのブランド「コペルニ・フェム(COPERNI FEMME)」を以前から買い付けていたからです。

Q:彼らは2014年度のANDAMファッション・アワード(ANDAM Fashion Award 2014)」でファースト・コレクション・アワードを受賞し、2015年にはLVMHプライズのファイナリストにも選出されましたね。デザイナーとのネットワークは重要だということでしょうか?

湯沢:そうですね。でも彼らがビッグネームのデザイナーになっていくとまた、状況は変わります。それまで、買い付けができていたブランドも商社経由になって、急に買い付けられなくなることもありますから。それで悔しい思いをしていることもこれまでに数多くありますね。

Q:現在、注目しているデザイナーを教えて頂けますか?

湯沢:J.W.アンダーソンはデビューの時からオーダーしています。彼の何か新しいことを提案してくるというパワーと、周りを巻き込んでいくエネルギーは魅力的です。そういう、新しい世界を作っていけるデザイナーという意味ではGiuseppe Di Morabitoにも期待しています。スリッポンスニーカーでゆるく着られる新しいパンククチュールが作れるデザイナーだと思います。ミラノは素晴らしい工場があって、最高の製品が作れる一方で、新しいデザイナーが出てきにくい背景があるのですが、彼には期待しています。

ミラノでは、マッシモ・ジョルジョッティのMSGMを最初のコレクションからオーダーしています。他の新人デザイナーたちがリアリティのない価格帯の商品を発表していた時に、ホワイトシャツを上代1万円台で販売できる価格帯で発表してきて、マーケットを理解した姿勢も業界から高い評価を得ている理由なのだと思います。

Q:マッシモはショーで一般の撮影を禁止したり、現在の行き過ぎたSNSを使ったマーケティングなどにも独自の対応を示していますね。

湯沢:最近はショーでも、プレスやブロガーが全身そのメゾンの洋服で現れてパパラッチされたり、ショーの最中や直後にコレクションの画像がSNSなどに上がるという状況に、私自身も少し疑問を抱いています。みんながスマートフォンで撮影している光景を見ると、せっかくショーを見るのだから、もう少し集中してはと思いますね。

Q:ショー終了後、すぐに商品購入が可能なように、ブランドではシーズンの見直しを発表する動きもあります。

湯沢:本当にそのブランドの洋服が好きで、半年間、店頭に到着するのを待っていらっしゃる沢山のお客さまと普段リアルに接している私たちは、その動きに対して違和感を感じています。実際にショー用ピースと販売アイテムが違うブランドもあり、ユーザーからするとあのブランドではできるのに、この店ではなぜ出来ないの?と誤解を招くおそれもあります。

Q:パリの生活で、テロの影響は大丈夫なのでしょうか?

湯沢:テロがあったからこそ、あえてカフェのテラスでお茶を飲むというようなフランス人の強さは感じます。こんな時代だからこそ、という思いはみんな同じなのではないでしょうか?

(了)
Text:野田達哉

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