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【発酵めがね:味噌】小倉ヒラクさんに訊く味噌にまつわるエトセトラ!そもそも、味噌ってどんな調味料?

FASHION HEADLINE / 2016年6月16日 20時0分

・朝鮮半島:厳しい寒暖差から生まれる、辛くて刺激的な発酵文化/ キムチ、コチュジャン等
・東南アジア:メコン川を中心とした、淡水魚等の魚介の発酵文化/魚醤や魚の塩漬け等
・中国南西部、台湾:どぶろくや米麹など、日本に非常によく似た発酵文化があります。しかも、薬膳と組み合わせるのでバリエーションは広い

日本:大陸には稀なニホンコウジカビのつくりだす旨味と甘味の強い発酵文化

などなど。

ただ、どこも地域による多様性があるのであくまで参考までに。

FH:なんだか発酵目線に地図を眺めたり、その地域を訪ねてみるといろんな発見がありますね!わくわくしてきました。

Q2:ここで、そもそもの質問なのですが、味噌は何からできていますか?

ヒラクさん:日本における味噌の定義は『大豆と麹と塩を原料とした固形調味料』です。

この3つを基本の原料としたうえで、

■味噌のタイプ

・麹の原料の違い(米、麦、豆など)
・熟成期間の違い(西京味噌2日~八丁味噌3年)
・他の原料や違う種類の味噌のブレンドの有無(調合みそや柚子味噌等)

によってバリエーションができます。

FH:それでは、今回の五味醤油さんで体験した味噌づくりワークショップの「甲州味噌」は米麹と麦麹をミックスして仕込む、ユニークなハイブリット味噌なんですね。

ヒラクさん:そうですね。いちおうジャンルとしては『合わせ味噌』というものに入るのですが、通常はすでにできあがった味噌を混ぜるのに対して、仕込むときに米と麦の麹を二種類混ぜるものは全国に類を見ないものです。山梨は斜地が多くて田んぼが確保できなかったので、米と麦を両方混ぜるという発想になったのでしょう。味も、東北のコクのある味噌と九州の旨味のある味噌のいいとこ取りのようなユニークな味わいです。

FH:今回自分たちで仕込んだ味噌が秋になって食べられるのが待ち遠しいです。今回4月に味噌を仕込んで、夏から秋まで樽の中で寝かせますよね。

Q3 :味噌が樽の中でできるまでの数ヶ月、味噌樽の中では何が起きているのでしょうか?

ヒラクさん:味噌が発酵するプロセスでは、以下のようなことが起こっています。

■味噌が発酵するプロセス

1. まず原料に混ぜた塩が、雑菌をブロックする
2. 麹による分解酵素によって、大豆のタンパク質が旨味に、デンプン質が糖分に変わる
3. 麹のつくりだした糖分がエサになり、乳酸菌や酵母菌が繁殖しはじめる
4. 乳酸菌が味噌特有の酸味を、酵母菌が香りや味の深みをつくりだす

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