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新生「アキラナカ」がオール・ジャパン・メイドにこだわる理由【INTERVIEW】

FASHION HEADLINE / 2014年10月16日 15時0分

――すべて日本製の素材を使って展開していこうということでしょうか。

そうです。日本の技術は大変優れていますし海外のコレクションレーベルでは実際に日本の素材が多く使われています。「友禅で着物をつくる」とかじゃなく例えばそれがテーラードジャケットとしても、“日本人のモノ作り”をすれば、日本の味が必ず出ます。それが自分のレーベルにとっては大きな力になると考えています。

――アントワープで世界レベルの優秀な人材や技術に触れてきた中さんが、海外へ進出するにあたり、必要な要素が“ジャパンのモノ作りとおっしゃるのに興味を惹かれました。

海外で生活して来たことで自分が日本人であることを意識するようになったからだと思います。デザイナーとしてアイデンティティーをもって海外に出て行くにあたって、日本の本当に良しとされているものや力のあるものを集めるのは必然のことだと感じています。

――日本の良さをクリエーションにしたときに勝てると思う理由は何でしょうか。

エディターやバイヤーなど、世界を見てきた人だと分かると思いますが、僕が思う“デザイン”というのは、日本とイタリアのもの。日本人とイタリア人は、これまで培ってきたものを突き詰める姿勢や美徳があります。例えば同じことをして同じ成果だったとしても3年やったのものと10年やったものとでは全然捉え方が違っていて、10年継続したほうは「匠」と呼ばれる。何かを突き詰めること、継続していくこと、向かい続けることに対して、リスペクトを持てる民族です。そういう意味で日本は、実は世界でも非常に稀な“デザイナーが多く排出されるべき土壌”であり、日本人はデザイナー向きの人種。ただ教育の問題であまり出てきていないだけだと思っています。

――日本の技術や人材が、もっとファッションのフィールドで活きてこなければいけないと。

デザイナーという括りでは少ないけれど、作り手として世界で光っている日本人はたくさんいます。ビッグメゾンのパタンナーには日本人が多く起用されていますし。さきほど申し上げたように海外コレクションでは多くのビッグメゾンが日本の生地を使っています。現在、アメリカの大きいブランドがどんどん北陸に入ってきて工場を押さえている現状もあります。

――今回の伊勢丹限定ラインも様々な日本の素材メーカーを起用していますが、特に秀でているところを一つ挙げるとしたらどこでしょうか。

一つは難しいですが敢えて挙げるとすれば、「カナーレ」と「藤本商店」でしょうか。テキスタイルを織れる業者はいますが、糸の段階からオリジナル企画をして作り上げる「カナーレ」はすごいです。ものすごく手間をかけてクチュール的なものづくりをしています。「藤本商店」はもともと着物を作っていたところで、シルクに対して優れた技術を持っている会社です。ディオールやエルメスなど様々なメゾンからも依頼を受けています。プレタポルテで使うために必要な表情を出す為に、その生地に使われている糸の撚りにまでこだわりを持ち、糸の段階から服地の仕上がりが考えられています。シルクウールのボンディングパンツは「藤本商店」の生地を使っていますが、非常に良く仕上がったと感じています。値段はある程度しますが、それだけの価値は必ずあるものです。海外のラグジュアリーブランドと素材も縫製も同レベル、そしてシルエットは日本人向けに計算されたパターンを採用しています。このパンツはトップスのスタイリングを選ばず、シンプルなTシャツであってもスタイル自体を引き上げる力があります。

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