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「PRADAEXTENDS」が示したプラダの先進性【COLUMN】

FASHION HEADLINE / 2022年8月27日 19時0分

Richie Hawtin

6月に京都の京都中央信用金庫旧厚生センターで始まった展覧会「ブライアン・イーノ・アンビエント・キョウト(BRIAN ENO AMBIENT KYOTO)」が好評のため、当初の予定を延長して9月3日まで延長された。アンビエント・ミュージックの草分けとしてテクノミュージックにも大きな影響を与えた偉大なるアーティストの再評価は、パンデミック以降のイベントを暗示しているようにも見える。


「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」の会場風景・作品『Light Boxes』

光と音をテーマにした今回のイーノの展示は性別を問わず、会話を必要とせず安らげる作品であり、70年代から彼を知るファンと20代の若者までが、精密に計算された音響システムのスペースで、それぞれの時間を自由に楽しんでいる。

文字情報や言葉(今回のイーノの作品には一部、歌詞や詩が含まれているが)を、極力排除したテクノやアンビエント・ミュージックのミニマルな表現は、フィジカル、バーチャル、オンライン、オフラインを問わず共有できるコンテンツであり、サブカルチャー系のイベントとしては稀有の来場者を記録した。それは日本で1970年代後半からテクノミュージックがポップ化し、NYコレクションを騒がせたユーゴスラヴィア人のゾラン(Zoran)やミラノのジャン・フランコ・フェレなどに代表されるミニマムファッションがモードシーンを席巻した1980年代前半、さらにジョージア出身であるデムナ・ヴァザリアのヴェットモンからバレンシガへと受け継がれるオーバーサイズシルエットのトレンドと重なる。

海外のラグジュアリーブランドは、この数シーズンいち早く環境音楽(アンビエント・ミュージック)やテクノミュージックと空間ヴィジュアルをミックスしたさまざまなイベントでアプローチを図っている。それはデジタルプレゼンテーションとしての相性の良さもある。ボッテガ・ヴェネタは表参道フラッグシップのオープン1周年を記念して、 7月1日~7月10日にイベント“THE SQUARE TOKYO”を開催。ボッテガ・ヴェネタのファブリックを使用した家具と現代音楽家・ピアニストの原摩利彦のパフォーマンス、大沢伸一が制作したアンビエントなサウンドスケープが流され櫻井焙茶研究所によるオリジナルブレンドの煎茶が提供されるなど、フィジカルなイベントが行われた。

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