フェンディがアイコニックな「バゲット」バッグを通して称えるイタリアのクラフツマンシップ
FASHION HEADLINE / 2020年10月22日 14時0分
カラブリア(Calabria)州のコゼンツァ(Cosenza)沿岸一帯では、古代から“ジネストラ(ginestra)”、つまり、ほうき(エニシダ)繊維を織る技法が、何世代にもわたって受け継がれてきました。これは電気、入り組んだ機械や化学薬品を必要とせず、汚染物質の排出ゼロの完全な手工芸です。夏中収穫された丈夫な低木は、手作業で処理されて、クールな繊維(ファイバー)原料になり、それがナチュラルなパネルへと織り込まれて、植物ベースのバゲットが制作されます――コラボレートするのは、ファブリカ・テッシール・ボッシオ(Fabbrica Tessile Bossio)です。このバゲットは、地元の伝統的なモチーフにインスパイアされたデザインが特徴で、象徴的なアイコン、FFロゴパターンは、天然の植物ベースの染料で染色されています。すべてを手で結び上げたほうきの糸で作られた長いフリンジが、バッグの両サイドを飾っています。
ラツィオ(Lazio)州のFENDIの故郷、ローマでは、豊かな歴史を持つ大理石の寄木細工と銀と金細工の技術が、マスタージュエリー職人、マッシモ・マリア・メリス(Massimo Maria Melis)の作品として合体しました。1982年以来、ローマ中心部のヴィア・デローソ(Via Dell’Orso)通りにある有名なアトリエ兼ブティックで、メリスは、古代のコイン、ポリクローム(多彩色)ガラスや大理石を取り入れた複雑なエトルリア・スタイル、よびローマン・スタイルのジュエリーで、国際的な評価を受けています。今回、FENDI「ハンド・イン・ハンド」プロジェクトでは、貴重なバゲットバッグを通して、FENDIのレザーテクニックと、ロストワックス・テクニックで作られたメリスの金メッキのシルバーアップリケ“ベゼル”のすばらしさが融合しています。非常に珍しい手彫りの大理石もインレー(はめ込み)されています――現在では閉鎖された採石場から抽出された希少な大理石です。ベゼルは、“グラヌラトゥーラ(granulatura)”と呼ばれる古代ローマの特別な技法で作られ、ベゼルの周りに溝のようなモチーフが生まれます。このバゲットの正面には、帝国時代のローマ皇帝たちを描いた貴重なオリジナルの青銅貨2枚が飾られています。
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