フェンディがアイコニックな「バゲット」バッグを通して称えるイタリアのクラフツマンシップ
FASHION HEADLINE / 2020年10月22日 14時0分
サルディーニャ_スマルムーリ
次の「ハンド・イン・ハンド」パートナーシップは、ベネト(Veneto)州にあるヴェネツィア(Venice, Venezia)の中心部で、5世紀にわたって受け継がれてきたファミリー経験を活かした、豪華なベネチアン・テキスタイルを作り上げる、ジャカード職人、ルイージ・ベヴィラクア(Luigi Bevilacqua)のアーカイブを探索します。18世紀の機織り機で手織りされたベヴィラクアのソプラリッツォ(soprarizzio)“オーバーザカール”のシルクとコットン・ベルベットは、最も時間のかかる「ハンド・イン・ハンド」プロジェクトとなっています。古代ヴェネツィアのレパートリーに触発された華やかなフローラルのブロケードモチーフは、1ミリずつカットされて、職人たちの手で織り込まれていくため、彼らは1日にわずか数センチの生地しか作れません。パウダーピンクのシルクで裏打ちされたこのバゲットは、ヴェネツィアらしい精神と、色あせていきながらも美しく輝く宮殿のカラフルな歴史を思い起こさせます。このバゲットバッグは、ジャスパーにリザードのディテールを彫り込んだFFバックルとハンドル(持ち手)、さらに結び目の交ぜ織り(インターレース)のサテンストラップによって、一層リッチな作品に仕上げられています。
ベネト_ベヴィラクア
マルケ_ボッテガ・イントレッチョ
南のプーリア(Puglia)州に向かう「ハンド・イン・ハンド」パートナーシップは、ナルド(Nardò)村に拠点を置く、ドディーノ(Dodino)のレース職人たちと長く続いてきたコラボレーションを称えます。繊細なループとノット(結び目)でできた彼のレースのデザインは、木製のシャトルに糸をかがって作られ、キアッチエリーノ(chiacchierino)と呼ばれる伝統的なアプーリア(Apulian)の技法で、同心円状の花のデザインを作り上げています。キアッチエリーノとは、楽しくおしゃべりしながら仕事する職人たちの様子なのです。パッド入りのコットンとリネンのベースにのせると、キアッチエリーノレースは、バゲットの表面で3Dのフローラルクラウド(花々の雲)に浮かんでいるかのようです。バゲットには、小粒のパールで飾られた特製FFバックルがはめこまれています。
イタリア中部のマルケ(Marche)州定番のウィッカー(小枝)、レザー、コード(糸)織りの技術はルネサンス期にさかのぼり、ボッテガ・イントレッチョ(Bottega Intreccio)において、何世代も受け継がれてきました。ここでの「ハンド・イン・ハンド」プロジェクトは、特に柳の枝で織り上げる現地の習慣を祝うために、フェンディのために職人が選び出した枝を織っています。柳の木はマルケ地方に自生しているため、春に採取できる収穫量が限られています。今回のバゲット作品を制作するために、職人が手作業で金属フレームの周りに織り込んでいきます。その前に柳を数日間、水に浸して、柔軟性を高めます。こうして作られたバゲットは、しなやかな木の自然な風合いと色調、さらに織り込まれた柳のモチーフがアクセントになっています。このモチーフは地元の漁師たちのバスケットから着想を得ていて、最後は植物性レザーのディテールで仕上げられています。
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