エスパス ルイ・ヴィトン大阪「Fragments of a landscape(ある風景の断片)」展にジョアン・ミッチェルの作品2点が追加
FASHION HEADLINE / 2021年6月29日 17時0分
ジョアン・ミッチェル(1925-1992年)は、シカゴ美術館附属美術大学で学び、1948年に渡仏、1949年までパリに滞在しました。拠点とするニューヨークに戻ると、コンラッド・マルカ=レーリ、ウィレム・デ・クーニング、フランツ・クラインが設立した芸術家の集いの場「ザ・クラブ」(「8thストリート・クラブ」とも呼ばれる) の活動に参加。1953年にステイブル・ギャラリーで個展を開催して高く評価されてから2年後、ニューヨークとパリを往き来する生活を送り、フランスでは北米出身のアーティストたち(シャーリー・ジャフィ、サム・フランシス、ノーマン・ブルーム、ソール・スタインバーグ、ジャン=ポール・リオペル)と親交を深めました。1969年、クロード・モネが住んでいたことで知られるヴェトゥイユに居を構えると、豊かな色彩によって光に寄せる想いを表現しはじめ、その作風は彩られた表面の細分化という特徴を帯び、ミッチェルは「抽象的印象派」と見なされるようになります。ただし、この呼称は、彼女の作品の骨格をなすダイナミックな対立──自然を忠実に表現したいという想いと、尊敬するファン・ゴッホから影響を受けた主観的で激烈な表現のパワーのぶつかり合い──を消し去るものでした。1972年以降、ミッチェルは大型作品に取組むようになります。異彩を放つ作品の構造は、彼女特有の官能的な色使いが存分に発揮されることを可能にしました。1980年代初頭、才能の絶頂期を迎えたミッチェルは、今回展示される《Untitled》(1979年) や《Cypress》(1980年) に表れているように、明らかに風景画に回帰しています。晩年期の作品に見られる光と色が交互に繰り返される抽象的「モチーフ」は、彼女の筆遣いがますます自由になっていったことを示しています。
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