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下降トレンドに終わりを告げる三角持ち合いは、失敗から生まれる!

ファイナンシャルフィールド / 2021年9月10日 2時40分

写真

前回は、典型的な三角持ち合いパターンが失敗するのが、相場のどのタイミングで発生しやすいかという点を見てきました。今回は、これとは反対に、典型的な三角持ち合いの逆パターンが、相場のどの位置に現れやすいかについて確認していきたいと思います。

エリオット波動理論におけるチャート波形の捉え方

今回も、まずはチャートにおける波形取りを再確認します。
 
「エリオット波動理論」においては、相場の波は、I・II・III・IV・Vの一連の波である「衝撃波」と、A・B・Cの一連の波である「修正波」の2つでできていると考えます。衝撃波が上昇トレンド、修正波が下降トレンドですが、修正波では、それまでの上昇相場の調整が起こるという発想から、修正が加えられるという考え方に基づいています。
 
〇エリオット波動理論におけるチャート波形の基本的な考え方
 

※筆者作成
 

典型的な三角持ち合いの逆パターンが完成しない場合のチャートイメージ

こちらも復習の意味で、まず、典型的な三角持ち合いの逆パターンについて再確認します。下の図がそれを示していますが、下落相場がいったん下値をつけ、もみ合った後、下値支持線(サポートライン)を下回ると、典型的な三角持ち合いの逆パターンが完成します。
 

※筆者作成
 
しかし、この典型的な三角持ち合いの逆パターンが完成しないことが時としてあります。
 
それが下の図ですが、下落相場がいったん下値をつけ、もみ合い相場になるところまでは同じです。異なるのは、その後、下値支持線(サポートライン)を下回らずに反転上昇していくという点です。
 

※筆者作成
 
投資家心理としては長く続いた、買えばいいか、売ればいいかという気迷いのトンネルを、例えば、あるニュースが報道されたことなどをきっかけに抜け出せるだろうと強く思えるようになったという場面です。
 
このため、上値抵抗線(レジスタンスライン)を突破すると、力強く上昇していく可能性が高くなります。
 

典型的な三角持ち合いの逆パターンの失敗は、一連の波のうち、どこで現れるのか

それでは、この典型的な三角持ち合いの逆パターンの失敗は、相場のどの波で現れるのでしょうか。下の図の赤い丸の地点がその場所ですが、長く続いた下降トレンドから上昇トレンドに脱しようとするときに、このパターンが現れやすくなると考えられます。
 

※筆者作成
 
I・II・III・IV・Vの一連の波は衝撃波で、その前に出現している波は図では示していませんが、下降トレンドを描いています。典型的な三角持ち合いの逆パターンの失敗が起こるということは、相場が大きく転換することを意味しているため、底値を打つときに現れやすいと判断することができます。
 
これは、酒田五法における「三川」と似た考え方ですが、三川も下降トレンドから上昇トレンドに転換するサインとして、投資家の間ではよく知られています。
 

まとめ

チャートのパターンを知ることは、投資初心者にとっては比較的分かりやすいテクニカル分析の手法かもしれません。このような分析手法をフォーメーション分析ともいいますが、形を目で見て理解するだけでも、投資初心者にとっては技術が向上するきっかけになるのではないでしょうか。
 
次回は、三角持ち合いが直角三角形になるパターンについて見ていきたいと思います。
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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