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自動車のカタログに載っている「JC08モード燃費」って何ですか? 実際の燃費と違うんですか?

ファイナンシャルフィールド / 2019年2月19日 7時54分

かつての10・15モードは単純すぎて実燃費と離れていました。 まず、JC08モードを理解しやすくする意味を含め、かつての10・15モードがどういうものだったのか説明します。10・15モードは、エンジン暖気後に街中走行を想 […]

かつての10・15モードは単純すぎて実燃費と離れていました。

まず、JC08モードを理解しやすくする意味を含め、かつての10・15モードがどういうものだったのか説明します。10・15モードは、エンジン暖気後に街中走行を想定(平均時速22.7km/h)とした10モードと、比較的高速を想定(最高速度70km/h)とした15モードを組み合わせたパターンで行なわれることから名付けられています。具体的には以下のとおりです。

■10モード燃費測定パターン

  1. アイドリング状態 (20秒)
  2. 20km/hまで加速する (7秒)
  3. 20km/hをキープして走行 (15秒)
  4. 20km/hから減速して停止 (7秒)
  5. アイドリング状態 (16秒)
  6. 40km/hまで加速する (14秒)
  7. 40km/hをキープして走行 (15秒)
  8. 40km/hから20km/hまで減速 (10秒)
  9. 20km/hから40km/hまで加速 (12秒)
  10. 40km/hから減速して停止 (17秒)

■15モード燃費測定方法

  1. アイドリング状態 (65秒)
  2. 50km/hまで加速する (18秒)
  3. 50km/hをキープして走行 (12秒)
  4. 40km/hに減速して走行 (4秒)
  5. アクセルをオフにした状態 (4秒)
  6. 40km/hから60km/hまで加速 (16秒)
  7. 60km/hをキープして走行 (10秒)
  8. 60km/hから70km/hまで加速 (11秒)
  9. 70km/hをキープして走行 (10秒)
  10. 70km/hから50km/hまで減速 (10秒)
  11. 50km/hをキープして走行 (4秒)
  12. 50km/hから70km/hまで加速 (22秒)
  13. 70km/hをキープして走行 (5秒)
  14. 70km/hから減速して停止 (30秒)
  15. アイドリング状態 (10秒)

以上のように比較的単純なパターンからなっていました。ただ、これではいろいろと条件の変わる実際の道路を走ったときの燃費とかけ離れすぎているということで、JC08モードが採用されるようになりました。

JC08モードは、より複雑な測定パターンにすることにより、実燃費に近づけた。

JC08モードは、10・15モードが比較的単純なのに対して、文章化が不可能なほど複雑なのが特徴です。実際にグラフを見ていただけるとわかると思いますが、ゆっくり加速したり急に加速したり、信号待ちのときのようにアイドリングを長くしたりというパターンがこの中に含まれています。10・15モードが一定速で走る区間が多いのに比べて、スピードの微妙な変化が大きくなっています。ちなみにJC08モードでは平均速度が22.4km/h、最高速度81.6km/h、モード測定の所要時間が1204秒です。さらにクルマは冷間時(エンジンが十分に温まってない状態)には燃費が悪くなる傾向があります。10・15モードでは、エンジンが温まった状態でのみの計測でしたが、JC08では、冷間時の計測も行ないその数値が盛り込まれています。

使用環境やドライバーの技量にも影響

JC08モードは、それまでの燃費計測方法よりも厳しく、実態に合ったものとしたという面があるわけです。ただ、どうしてもクルマの使用環境や乗り方はいろいろ。実燃費とぴたり同じというわけにはいきません。例えば、普段通勤で渋滞しがちの道路ばかり走り、週末は家族と荷物をたくさん載せて買い物などという使い方をしているとどうしても燃費は悪くなります。エアコンのオンオフでも変わってきます。
また、ドライバーの技量も影響します。アクセル操作がラフだったり、無駄に加速して、その分ブレーキ操作が多くなると走行するためのエネルギーが無駄になるのでやはり燃費が悪くなります。逆に空いている時間帯の高速道路を主に走るなどという場合は、モード燃費よりも良くなる場合もあります。

新モード「WLTP」が導入予定だが、いずれにしても「一つのものさし」。

国交省は、2018年よりJC08モードに加えて、WLTPによる燃費試験法を加えると発表しています。これは「乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法」と呼ばれ、燃費表示を国際基準で表示しようというものです。必ずしもカタログデータと実燃費に近づけることも目的とした測定法ではありませんが、アイドリングストップ時間が短くなったり、最高速が上がるなど、不利になる車種も出てくると予想されます。

 

クルマの燃費は、道路状況はもちろん、走行距離、気温、風の強さなどの自然条件、何人乗っているかなどの重量、タイヤの空気圧などによっても変わってきます。いつ誰が乗ってもカタログどおりの燃費にするというのは事実上不可能です。いずれにしても「モード燃費」というのはある一定の条件のもとでだけ成り立つものですので、それをうのみにせずに「一つのものさし」として参考にするべきものといえるでしょう。

図
http://www.mlit.go.jp/jidosha/sesaku/environment/ondan/fe_mode.pdf

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