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介護資金で生活が限界に……受けられる支援制度はどんなものがある?

ファイナンシャルフィールド / 2022年4月23日 11時0分

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家族の介護では身体的・精神的な負担だけではなく、金銭的にも大きな負担を強いられてしまいます。   介護による費用負担で介護者の生活が追い詰められてしまわないように、国から受けられるさまざまな支援制度が用意されています。支援制度を活用することで、介護における金銭面での負担を軽減することができます。   この記事では、厚生労働省の資料などを参考に、介護資金のために受けられる支援制度を紹介します。

介護の自己負担を抑える支援制度

 
家族の介護で大きな負担となってしまうのが、老人ホームへの入居費用や入院費などの介護費用です。
 
国からの支援制度を利用すれば、高額な介護費用の自己負担額の軽減が可能となり、介護での金銭的な負担を抑えられます。
 
要介護者が施設に入居している場合だけではなく、自宅での介護でも受けられる支援があるため、制度の内容を詳しく知っておきましょう。
 

高額介護合算療養費制度

 
高額介護合算療養費制度では、年間に支払った医療保険と介護保険の自己負担額を合算し、基準額を超えた金額を払い戻すことで介護費用の負担を軽減する支援制度です。
 
基準額は、年齢や被保険者の所得に応じて設定されています。
 
【図表1】


 
例えば、医療保険と介護保険を合算して年間60万円の自己負担があった場合、被保険者が70歳以上でかつ年収200万円の場合、基準額56万円を超えた4万円が払い戻されます。
 

高額介護サービス費制度

高額介護サービス費制度は、要介護者が1ヶ月に支払った利用者負担が上限額を超えた場合、超えた金額が介護保険から払い戻される支援制度です。
 
利用者負担の上限額は、被保険者の所得に応じて設定されています。
 
【図表2】

年収1160万円以上 14万100円(世帯)
年収770万~1160万円 9万3000円(世帯)
年収770万円未満 4万4400円(世帯)
世帯全員が市町村民税非課税 2万4600円(世帯)
世帯全員が市町村民税非課税(所得が一定以下) 2万4600円(世帯)
1万5000円(個人)
生活保護を受給している方 1万5000円(世帯)

高額介護サービス費での月間の利用者負担上限額は、世帯単位で設定されている点に注意が必要です。
 

居宅介護住宅改修費

 
居宅介護住宅改修費は、自宅での介護に必要な介護対策リフォームの費用に対し、補助を受けられる支援制度です。
 
支援の対象となる住宅改修の種類は以下の通りです。

(1)手すりの取り付け
(2)段差の解消
(3)滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
(4)引き戸等への扉の取替え
(5)洋式便器等への便器の取替え
(6)その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

出典:厚生労働省 福祉用具・住宅改修
 
支給額は、支給限度基準額20万円の9割(18万円)が上限です。
 
ただし、事前申請が必要な点には注意してください。工事が完了した後に申請しても受理されません。
 

特別養護老人ホームでの医療費控除

 
特別養護老人ホームなどに支払った金額の一部は、医療費控除の対象となります。
 
【図表3】

特別養護老人ホーム、指定地域密着型介護老人福祉施設 自己負担額の2分の1に相当する金額
介護老人保健施設 自己負担として支払った金額
指定介護療養型医療施設 自己負担として支払った金額
介護医療院 自己負担として支払った金額

ただし、日常生活費や特別なサービス費用として支払った費用については、医療費控除の対象外ですので注意が必要です。
 

介護している方が受けられる支援

家族の介護では、金銭的な負担に加えて時間的にも長時間の拘束が必要となり、仕事で時間を取れなくて悩んでいる方も多いでしょう。
 
国からの支援では、介護にかかる費用負担を軽減する支援制度のほか、介護を行う家族を支援する仕組みも用意されています。
 
介護と仕事の両立に悩んでいる方は、介護している方が受けられる支援制度を利用しましょう。
 

介護休業給付金

 
介護休業給付金は、2週間以上の常時介護を必要とする家族の介護のために職場を休業した際、受けられる支援制度です。
 
対象となるのは、原則として、介護休業を開始した日より前の2年間に、雇用保険に加入している期間が12ヶ月以上ある方。ただし、12ヶ月ない場合でも、この間に本人の疾病などがある場合は、受給要件が緩和される場合があります。
 
また、有期雇用労働者の方の場合、上記の要件に加えて、取得予定日から起算して93日を経過する日から6ヶ月を経過する日までに契約期間が満了し、更新されないことが明らかではないこと、という要件を満たす必要があります。
 
一定の要件を満たした場合、介護休業期間中に、休業開始時賃金月額の67%に相当する介護休業給付金が支給されます。
 

支援の制度を知り介護の負担を軽減しよう

 
介護費用によって、介護者自身の生活が圧迫され金銭的な負担が大きくなってしまうと、介護者・要介護者ともに、心身の健康に深刻な影響を与えてしまいます。
 
国からの支援制度を利用すれば、高額な介護費用や介護リフォーム費用の負担を軽減できるだけではなく、介護により休業が必要になった際のサポートを受けられます。
 
自分が受けられる支援制度を知り、活用することで、介護における負担が軽減できます。
 

出典

厚生労働省 高額療養費制度の見直しについて(概要)
厚生労働省 高額介護合算療養費制度
国税庁 5 高額介護(居宅支援)サービス費(介護保険法51、61)
厚生労働省 令和3年8月利用分から高額介護サービス費の負担限度額が見直されます
厚生労働省 介護保険における住宅改修
厚生労働省 福祉用具・住宅改修
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1125 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価
厚生労働省 介護休業とは
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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