「アイドリングストップ搭載車」はあまり燃費が改善しない? アイドリングストップ機能のメリット・デメリットを解説
ファイナンシャルフィールド / 2023年10月15日 2時30分
アイドリングストップ機能とは、車が信号待ちなどで止まった際に自動的にエンジンが停止するもので、燃費の向上が期待されます。しかし、トータルで考えると逆にコストが上がる可能性もあるため、最近ではアイドリングストップを搭載しない車種も増えてきました。 本記事では、アイドリングストップ機能のメリット・デメリットを解説します。なお、本記事で解説するアイドリングストップ機能は、ガソリン車に搭載されているもので、ハイブリッド車に搭載されているものではありません。
アイドリングストップ機能のメリット
アイドリングストップ機能を搭載した車は、エンジンをかけた状態でブレーキをかけて車を停止させると自動的にエンジンが止まります。そこから再発進しようとブレーキをゆるめたり、ハンドルを動かしたりするとエンジンが自動で再始動します。メーカーによって作動条件などに細かな違いがありますが、アイドリングストップ機能の大まかな機能は同じです。
車が止まっている際にエンジンが動いていると、燃料が無駄になるだけでなく、二酸化炭素や窒素化合物など有害な排気ガスを排出することになります。しかし、アイドリングストップ機能によって燃料の節約や環境への配慮が可能です。
アイドリングストップ機能のデメリット
しかし、最近ではアイドリングストップ機能を備えていない車種も増えてきました。「燃費が改善されるのになぜ?」と思うかもしれません。その理由として、アイドリングストップ機能の意外なデメリットが挙げられます。
まずアイドリングストップは、実はそれほど燃費が改善しません。アイドリングストップでは15秒以上エンジンを停止しなければ、かえって燃料を余計に消費するという交通エコロジー・モビリティ財団の調査報告もあり、短い停止ばかりだと、逆に燃費が悪化する可能性があります。
また、バッテリーなど電装系の部品に負担がかかる点がデメリットです。車はエンジンを始動する際に電力を多く消費するため、バッテリーに大きな負荷がかかります。
エンジンの停止と再始動を繰り返すアイドリングストップ機能搭載車には、通常の車よりも高性能の専用バッテリーが搭載されていますが、それでも寿命が短くなりがちです。専用バッテリーのため、交換時の費用も高くなります。バッテリーは生産過程で大量の二酸化炭素を排出するとも言われており、寿命が短いということは、それだけ環境面でも負荷をかけていることになります。
ほかにも、運転する際のレスポンスが悪い点もデメリットです。ブレーキから足を離せばすぐにエンジンは再始動するものの、どうしてもワンテンポ遅れてしまいます。右折待ちで素早く右折したいときなどに、自分のタイミングと合わないことで、イライラしてしまう人もいるでしょう。
アイドリングストップ機能はオフにしてもいい
アイドリングストップ機能はバッテリーなど電装品に負担がかかるため、燃料代を節約できても、バッテリー交換費用などのトータルコストで考えると必ずしも得になるとはいえません。
アイドリングストップ機能は、ボタン操作でオフにできる車種も多いようです。すでにアイドリングストップ機能付きの車に乗っており、停止は短い時間ばかりという人は、機能をオフにしたほうが長期的にはコストが削減できる可能性が高いでしょう。
出典
公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団 エコドライブ推進方策に関する調査報告書
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士
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