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【FPお薦めの一冊】脱老後難民「英国流」資産形成アイデアに学ぶ(野尻哲史著)

ファイナンシャルフィールド / 2018年10月13日 0時0分

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この本の冒頭には、主にファイナンシャル・プランナーや金融機関の方々向けの本であると書かれています。確かにボリュームもあり、数字や図表も多く、気軽に読める印象はありません。   でも読んでみると、根拠となるデータがしっかりしており、皆様に役立つヒントが満載の内容です。冒頭の一文に惑わされて手にしなかった方、それはモッタイナイです。一度ご一読されてはいかがでしょうか。  

ギモン(1) どうして英国に学ぶの?

NISAの制度が始まったのは5年前。この制度が始まった時、「日本版ISAなのでNISAです」という説明を聞きました。お手本とした英国版ISAはどういうものなのか、熟知している人は少ないと思います。
加えてこの本のタイトルです。どうしてお手本が英国なの?という疑問を持つたのは私だけではないでしょう。その理由はもとより、英国も国民に自助努力を誘導する制度作りに苦労している話が詳細に書かれています。
超高齢社会の抱える経済的な危機に対し、英国が日本より早く対応しています。
皆様が海外の事情を知る機会は多くはないと思いますが、この本で少しはそれを知ることが出来ることと思います。
 

ギモン(2) 英国流にすれば「貯蓄→資産形成」が成功するの?

日本では長らく「貯蓄から投資へ」が合言葉でした。しかし、NISAがスタートし、フレーズも「貯蓄から資産形成へ」と変化しました。
さらに昨年からブームとなってきたiDeCoや、今年始まった「つみたてNISA」で、コツコツ投資が急速に注目されるようになりました。ただ“コツコツ”は日本人の得意分野のはずですが、資産形成には十分活かし切れていません。本書では、英国の企業年金改革を知ることで、活かすヒントを探っています。
「お金を貯めている人の共通点は?」と聞かれたら、答えは「先取の資産形成システムを作っていること」です。“お給料の前日に今月の残高を貯蓄する”やり方では、なかなか資産を増やすことは難しいです。
英国では全企業が企業年金を導入しています。これは、従業員に「先取の資産形成システム」を提供していることを意味します。全企業が導入している企業年金~これは、どのような仕組みなのかが気になります。金額設定や所得控除による還付金の扱い方など、日本の発想とは違った制度であることが解説されています。
英国の制度ではありますが、個人の資産形成にも応用できるアイデアが見つかると思います。
 

ギモン(3) 金額ではなく率で考えることが必要なの?

「老後の資金はリタイア時に3000万円が必要」といった指摘がある一方で、「老後の過ごし方は人それぞれ違うので、同じじゃないでしょう」との意見もあります。「老後の生活費は退職前の何%で見積もりましょう」と捉える方が、実際の必要金額に近い試算が出来ることは確かです。
では、貯める時は?老後の生活費が多く掛かるのなら、それに応じた資産形成が必要なことは言うまでもありません。「金額よりも率で考える」~これは野尻氏がこれまでも提唱してきたことです。
お給料から毎月5万円ではなく、5%を積み立てる~英国や米国では率で考えることが一般的だそうです。率の考え方による退職後の資金準備の方法が詳細に説明されています。退職間近な方は勿論、これから資産形成をする方にも「なるほど」と納得しやすい内容になっています。
とにかく内容が盛りだくさんな一冊です。上記に挙げたものは、ほんの一部です。自分の気になる箇所を「つまみ読み」するだけでも、老後難民になる危険を回避出来るかもしれません。
Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)
相続診断士

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