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共働きで「年収600万円×2」の夫婦と、夫が「年収1200万円」の専業主婦の家庭、手取り収入はどれくらい差が出る? それぞれの金額を試算

ファイナンシャルフィールド / 2024年2月7日 2時20分

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男性が働き、女性は専業主婦として家庭を守る。このような家庭の形は変わりつつあります。かつて日本では専業主婦世帯が多数を占めていましたが、近年、専業主婦世帯と共働き世帯の統計は逆転し、2022年時点で専業主婦世帯が539万世帯なのに対し、共働き世帯は1262世帯と倍以上の差が開いています。 家庭の形が変化していく中で夫婦それぞれが高収入であるパワーカップルも登場しました。一方、パートナーの1人が高収入を稼ぎ、もう1人が専業主婦(夫)を続けている世帯も存在します。本記事では、世帯収入が同じでも共働き世帯と専業主婦(夫)世帯で手取り収入がどれだけ異なるかを日本の税制度に照らしながら解説していきます。

日本は超過累進課税制度である

前提として、日本は所得が高額になればなるほど税率が高くなる超過累進課税制度を採用しています。図表1の通り、所得がある金額ラインを超えると、その超えた金額に対して高い税率が掛けられます。
 
図表1

図表1

金融広報中央委員会 知るぽると
 
例えば所得が1200万円の場合には、900万円を超える300万円分に対しては33%の税金がかかります。所得金額を抑えるために配偶者控除や社会保険料控除など合わせて15の控除を活用できますが、この控除も年収が一定ラインを超えると上限に達してしまい効果は薄くなります。
 
また、所得税だけでなく、図表2の通り、社会保険料についても月々の給与水準とされる標準報酬月額を基に社会保険料が決定するため、高収入であればあるほど社会保険料の負担割合も増加します。
 
図表2
図表2

全国健康保険協会 令和5年度保険料額表(令和5年3月分から)
 

年収600万円2人世帯と単身年収1200万円世帯の手取りの差

実際に、年収600万円同士の共働き世帯と、パートナーの一方の年収が1200万円の専業主婦(夫)世帯ではどれくらい手取り収入に差が出るか計算してみました。条件は以下の通りとします。

・35歳同士の夫婦
 
・東京在住
 
・ボーナスは考慮しない
 
・控除対象は基礎控除、給与控除、社会保険料控除、配偶者控除のみ
 
・雇用保険料率は0.05%

図表3

図表3

筆者作成
 
図表3の通り、年収600万円の手取りが463万円に対して、年収1200万円の手取りは858万円となりました。世帯手取りで考えると年収600万円×2人の共働き夫婦の場合は926万円となり、年収1200万円1人に対して手取り金額は年間68万円も多くなります。
 

世帯手取りを最大化するための工夫を

日本の税制度や控除の仕組みにより、夫婦世帯の1人だけが高収入の場合、その分手取りも多く引かれてしまうのが現状です。世帯としての手取りを最大化するためには、夫婦の働き方や各控除の仕組みを学び、有効に活用していくことが重要となるでしょう。
 

出典

金融広報中央委員会 知るぽると 所得税の仕組みを理解しよう!
全国健康保険協会 令和5年度保険料額表(令和5年3月分から)
国税庁 No.2260 所得税の税率
厚生労働省 雇用保険料率について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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