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新卒ですが、すでに月の残業が「30時間」近くになっています。これで「手取り20万」はブラックでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年2月7日 3時10分

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1ヶ月に20日働く人の場合、月30時間の残業は1日に平均で1.5時間程度余分に働いている計算になります。1日に1.5時間残業をすることは決して楽ではないため、もらえる手取りによっては不満を感じている人もいるのではないでしょうか。   今回は、新卒の場合にどのくらいの残業時間と手取りであればブラック企業といえるのかについて解説します。

2023年の平均残業時間は月に23時間前後

まずは、残業時間に着目してブラック企業の目安を考察してみましょう。働きがい研究所by openwork「日本の残業時間 定点観測」のデータによると、2023年7~9月の平均残業時間は月22.76時間でした。2014年以降、日本の残業時間は減少傾向にあり、2019年以降からは22~26時間程度で推移しています。業界別で残業時間が特に多いのは「コンサルティング業界」「マスコミ・広告業界」「不動産・建設業界」です。いずれの業界も、2023年7~9月の平均残業時間は月30時間を超えています。
 
業界によって差があるため一概にはいえませんが、2023年の平均残業時間が月23時間前後ということを考慮すると新卒で月30時間の残業はやや多い傾向といえるでしょう。
 

手取り20万円は新卒の平均より上

続いて、新卒の手取りに着目してブラック企業の目安を考察していきます。一般財団法人 労務行政研究所の「2023年度 新入社員の初任給調査」によると、2023年度の学歴別初任給は大卒が22万5686円、高卒が18万3388円でした。ここから所得税や社会保険料などが引かれ、実際に受け取る金額が8割と仮定すると新卒の手取りは大卒が約18万548円、高卒が約14万6710円となります。今回のモデルケースは、手取り20万円のため、大卒と高卒いずれの手取りと比較しても平均を上回っています。大卒平均を2万円程度、高卒の平均を6万円程度上回っているため、手取りだけで見るとブラック企業とは呼べないでしょう。
 

月30時間の残業で手取り20万円は完全にブラック企業とはいえない

以上の結果から、月30時間の残業で手取り20万円は完全にブラック企業とはいえません。もちろん、業界によって差があるため、残業時間と手取りだけでブラック企業か否かを判断することは困難です。例えば、残業時間が多い傾向にあるコンサルティング業界では、月30時間の残業は平均的です。平均的な残業時間と新卒の平均を上回る手取りでは、見方によってはホワイト企業と捉えられるでしょう。
 
このように、業界によってブラック企業の目安は変わるため、全体の平均だけでなく、自分が所属する業界の平均にも着目することが大切です。また、福利厚生の充実度もブラック企業か否かを判断する重要な目安の一つとなります。月の残業が平均を上回っている場合でも、そのぶん福利厚生が充実しているケースがあるため、残業時間と手取りだけでなく総合的に判断するようにしましょう。
 

業界によってブラック企業の目安は変わる! 総合的に判断しよう

ブラック企業とホワイト企業は、法律によって明確に定義されているわけではありません。業界によって残業時間に差があるため、手取りや福利厚生などのほかの要素もふまえつつ、総合的に判断することが大切です。月30時間の残業は、全体の平均を上回っているもののコンサルティング業界やマスコミ・広告業界といった一部業界に限れば、それほど不自然な数字ではないといえるでしょう。
 

出典

働きがい研究所 by openwork  日本の残業時間 定点観測
一般財団法人 労務行政研究所 2023年度 新入社員の初任給調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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