60歳で定年を迎えますが「再雇用」で働き続けるか迷っています。定年後は「年収400万円」まで下がってしまうので、ほかの働き方にすべきでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年2月11日 2時10分
近年は長寿化の進展や年金制度の先行き不安などから、定年後の生活に不安を覚え、定年後も働き続ける人が増えています。しかし、定年後の再雇用は給与が減って仕事内容も変わることが多く、今の会社でそのまま働き続けた方がいいのか悩む人も多いでしょう。 そこで本記事では、定年後の働き方の種類や選び方、働き方ごとのメリット・デメリットなどを紹介します。
定年後にはどんな働き方がある?
定年後に働き続ける場合、主な働き方には再雇用・再就職・起業の3種類があります。
再雇用とは、定年退職後に新たな雇用契約によって元いた会社で働き続ける制度のことです。厚生労働省の公表によると、従業員21人以上の企業23万5875社を対象にした調査では、継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度等)を導入している企業は全体の70.6%、うち従業員数が301人を超える企業では83.3%となっており、大企業で特に制度の整備が進んでいます。
再雇用の場合、慣れ親しんだ職場で働き続けられ、新たな職場を探す手間もかかりませんが、役職の変化や賃金関係でトラブルになることもあります。職場環境を変えたくない人や、今の会社にやりがい、誇りを感じている人におすすめでしょう。
一方、再就職はこれまで勤務していた会社を定年退職し、新たな会社に就職する働き方です。これまでの業種とは違った興味のある分野に挑戦できることや、職場環境などを一新できるメリットがありますが、新たに仕事を探して一から仕事を覚えなくてはなりません。今の会社とは違った条件で働きたい人や、心機一転して働きたい人にはおすすめでしょう。
また近年では、定年後などシニア世代になってから起業をする「シニア起業」も定年後の選択肢として挙がっており、長年の社会人生活で培った技術や知識などを活かした働き方として注目を集めています。
働き方ごとの違いやメリット・デメリットを理解した上で、自分に合った働き方を選びましょう。
定年後の働き方を選ぶコツ
定年後の働き方を選ぶ際は、働く目的や譲れない条件を明確にして選ぶのがおすすめです。定年後は年収が下がったり仕事内容が変わったりと、働く上で希望が通りにくくなる可能性が高いため、働く目的や譲れない条件を明確にすることで自分に合った働き方を選びやすくなります。
例えば、年収が400万円まで下がってしまうとしても、環境を大きく変えたくない人や65歳までは安定して働きたいという人には、「高齢者雇用安定法」により65歳までの雇用が原則保証されていて、今の会社で大きく環境を変えずに働ける「再雇用」がおすすめです。
一方、今の会社とは違った仕事をしたい人や、年収や仕事内容など働き方の条件が合わない人には、今の会社に縛られず条件や目的などから自分に合った仕事を探せる「再就職」も1つの手でしょう。
また、会社に縛られずに自分のペースで仕事をしたい人や、これまでに培ったスキルや経験、人脈などを活かした仕事をしたい人は、シニア起業も検討してみてください。
定年後に働く目的や譲れない条件など、自身の状況や希望を明確にして、定年後の自分に合った働き方を選びましょう。
まとめ
定年後の働き方には主に再雇用・再就職・起業があります。今の会社を退職後、新たに雇用契約を結んで働き続ける再雇用と新たな会社に就職する再就職、またシニア世代から起業をするシニア起業と、定年後の働き方はさまざまです。
再雇用では65歳までの雇用が保証されていたり、再就職では新しい仕事に挑戦できたりと、働き方によって特徴が大きく異なります。定年後に年収が400万円まで下がってしまう場合、再雇用にするかどうかは、定年後に働く目的や譲れない条件を考慮した上で判断するとよいでしょう。
出典
厚生労働省 令和4年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します
厚生労働省 高年齢者雇用安定法改正の概要
執筆者:梅井沙也香
FP2級
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