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入社後に「試用期間中は給料なし」と聞かされました。これって普通ですか…?

ファイナンシャルフィールド / 2024年3月21日 9時20分

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正社員として採用されたあとに、試用期間中は給料が出ないという事実に驚いている人もいるかもしれません。結論から言うと、これは普通ではなく、法的に問題があります。今回は、この問題を掘り下げて、試用期間を設ける目的や試用期間中の給料、労働者の権利、対処法などについて解説します。ぜひ参考にしてください。

試用期間とは? 試用期間中の給料について

試用期間は、新しく採用した従業員の能力や業務への適性を判断するために設ける期間です。実際の業務を通して能力や社風への適合などを把握し、適材適所となる配置を検討し、最終的に本採用の可否を判断するために、試用期間を設けている企業がほとんどです。
 
試用期間は会社によりさまざまで、1ヶ月から6ヶ月、多くは3ヶ月とするところが多いでしょう。もちろん、会社だけでなく従業員本人も、自分がこの業務や社風に適しているのかを検討する期間でもあります。このように、試用期間は会社と従業員がお互いに適正を確認する重要な制度です。
 
しかし、試用期間中とはいえ、労働力を提供する従業員なのですから、そこに対価が発生するのが当然です。ただし、試用期間中は、本採用後の給料よりも若干低く設定されているケースも多くあります。これは、就業規則や労働条件通知書などで明示されていれば、違法性はありません。ところが、まったくの無給は違法です。少なくとも会社は、最低賃金額以上の給料を支払わなければなりません。
 

法的な問題点とは?

労働基準法第十五条をみると「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」といったことが明記されています。また、職業安定法でも、試用期間といえども、試用期間中の労働条件を明示しなければならないことが決まっています。
 
しかも、試用期間と本採用後の労働条件が異なる場合は、それぞれに労働条件を明示しなければなりません。つまり、従業員に労働条件を明示して内容を認識した上で、双方で労働契約を締結しなければならないのです。
 
さらに、厚生労働省によると、職業安定法施行規則の改正に伴い、令和6年4月より募集時等に明示すべき事項が追加されるなど、労働者と会社とのトラブルを防ぎ、適切な情報を提供するための内容が強化されます。このことからも分かるように、求人情報に都合の悪い部分を伏せた内容で募集していることも、違法である可能性が高いです。
 

労働者の対応策は?

給料の出ない試用期間は、労働者の基本的な権利を侵害する違法行為です。まずは、労働条件通知書や雇用契約書を再確認し、試用期間中の賃金についての記載がどうなっているのか確かめてください。未記載であれば詳細について会社に問い合わせましょう。仮に、試用期間中も賃金が支給されるとの記載があれば、当然受け取る権利があります。社内に信頼できる上司がいれば相談するのが一番ですが、らちが明かない場合は、労働基準監督署へ報告しましょう。
 

労働者が不当に搾取されないために

やっとの思いで正社員になれたからと、自分の立場が悪くなることを懸念して、なかなか不満を言い出せないケースもあるかもしれません。とはいえ、求人情報に明記されていない不利な条件があとから提示されれば、会社への不信感も生じることでしょう。その会社で働くことが本当に正解なのでしょうか。周囲の従業員の様子はどうなのか、将来の自分の姿は想像できるのか、よく検討した上で適切な対応を取りましょう。
 

出典

e-Gov 法令検索 昭和二十二年法律第四十九号 労働基準法 第十五条
厚生労働省 令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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