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アパートで猫を飼っていたのですが、退去費用で「100万円」請求されました。壁や床に「キズ」は付いていますが、さすがに高すぎませんか? 本当に払う必要はあるのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年3月23日 4時30分

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一般的に、アパートなどを退去する際には退去費用が請求されます。その金額はケース・バイ・ケースのため、敷金内で済んで追加の自己負担がないこともあれば、敷金以上の高額になることもあります。   特に猫などの動物を飼っている場合、退去費用が高額となる場合も少なくありません。とはいえ、「100万円」も請求されることはあるのでしょうか?   本記事では猫をアパートで飼っている場合の退去費用について、どれくらいお金がかかるのか、もし100万円を請求された場合は妥当か、などについて解説します。

アパート退去時には原状回復が必要

アパート賃貸契約の多くでは、退去する際には原状回復をして不動産会社へ部屋を明け渡す必要があります。通常、自分である程度きれいにした後は不動産会社にて対応し、そこでかかった費用を敷金から精算して、敷金で足りない分があれば、入居者がその分を負担します。
 
なお、国土交通省のガイドラインでは「原状回復」といっても、入居者が入居時そのままの状態に戻すわけではないとしています。入居者が負担すべきものと、負担しなくても良いものは以下のとおりです。


【入居者が負担すべき費用】

入居者の故意や不注意、通常でない使用方法等により賃借物に汚損・破損などの損害を生じさせたものに対する原状回復費用
 
【入居者が負担しなくても良い費用】
経年劣化による自然的なものや通常使用によるものだけの汚れや損耗
(特約が別途定められている場合を除く)

猫を飼っていると通常よりも退去費用が高額になる可能性が高い

猫を飼っていると、そうでない場合と比べると多くの場合は退去費用が高くなります。猫による爪とぎ跡やひっかき傷、においなどは「自然的なものや通常使用によるもの」とは言えないからです。
 
それらを補修したり除去したりする費用は、原状回復費用として入居者が負担すべきものになります。猫を飼っている場合、退去時に負担が求められる費用としては、「壁紙張り替え」「フローリング張り替え」「柱の修繕」「ハウスクリーニング」などが考えられます。
 

猫を飼っているとどれくらい退去費用がかかるのか

「壁紙張り替え」「フローリング張り替え」「柱の修繕」「ハウスクリーニング」にかかる費用は、部屋の間取りや広さ、修復する範囲、グレード、発注する業者などによって異なりますが、大抵の場合、猫を飼っていた場合の退去時の費用の相場は、おおよそ数万円~40万円程度のようです。
 
普通の1Kのアパートの場合、猫を飼っているといっても退去費用が100万円に及ぶ可能性は低いといえるでしょう。
 

高額の退去費用を請求された場合にはどう対応すれば良い?

可能性は低いとはいえ、100万円を請求されることもあるかもしれません。その場合、まずは退去費用の明細書の中身を確認しましょう。
 
前述のとおり、経年劣化とみなされるような原状回復工事の費用は、入居者が負担するものではありません。入居者が負担すべき範囲を超えたものがないかをチェックしましょう。
 
例えば、猫によって一部のクロスの張り替えが必要だとしても、張り替え箇所は通常、各部位ごとの経過年数を考慮したうえ、最低限可能な施行単位での修理に限ることが妥当です(国土交通省のガイドライン参照)。
 
もしその範囲を超えた修理が行われ、その費用が入居者に請求されているとすれば、不動産会社へ確認が必要です。明細書の中身を確認して不動産会社と話しても解決できない場合、国民生活センターや弁護士などへの相談も検討しましょう。
 

まとめ

アパートを退去する際の原状回復費用は入居者が負担しますが、経年劣化によるものは除きます。ただ、猫が作った傷や残した臭いは経年劣化ではないため、入居者が原状回復費用を負担しなければなりません。
 
猫を飼っている場合は退去時の費用も高額となる可能性はありますが、退去費用の明細書をしっかりと確認するなど、過剰に請求されていないかを確認しましょう。
 

出典

国土交通省 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)のQ&A
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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