営業の先輩が「取引先との飲み会だらけで大忙しだ」と言っていました。そんなに開催していて、経費は大丈夫なのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月8日 9時30分
取引先との会食や飲み会は、円滑に取引を進めたり企業の業績を伸ばしたりするために重要な企業活動です。 ただ、同じ会社の同僚や先輩などが取引先とひんぱんに飲み会をしていると、その費用を経費で落とせるのか気になる人もいるのではないでしょうか。 そこで、この記事では取引先との飲み会は経費に計上できるのか、その基準や経費に計上できない費用、注意点などを紹介します。
取引先との飲み会費用は経費に計上できる?
取引先との飲み会を開催した際、その費用は経費計上できるのでしょうか。結論からいうと、事業のために行った飲み会であれば経費で落とせます。取引先との飲み会費用は多くの場合「接待交際費」の勘定科目を用います。
勘定科目とは、企業が行った取引を帳簿に記入する際に使う分類のことです。接待交際費は、一般的にビジネスを円滑に行うための食事代を指します。取引先との会食や接待などでかかった費用は、交際接待費として計上することが可能です。
ただし、交際接待費として計上するには相手の名前が入った領収書が必要であり、なおかつ一人あたり5000円以上の支出があることが条件となります。
なお、損金算入できる交際接待費には上限が設けられています。例えば、資本金1億円以下の中小法人の場合、年間上限額は800万円もしくは接待飲食費の50%にあたる金額です。
ただし、経費計上のための条件や上限額などは変更となる場合もあるため、各自最新の情報を確認しましょう。
接待交際費に計上できない費用
飲み会にかかった費用は何でも経費に計上できるわけではありません。計上できる費用かきちんと確認する必要があります。ここでは、接待交際費に計上できない費用の一例を紹介します。
・一人あたり5000円以下の会食費
前述のように、接待交際費として経費計上するには一人あたり5000円以上の支出が必要です。したがって、企業のために行った飲み会であっても、会食費用が一人あたり5000円以下の会食費は接待交際費の範囲に含まれません。
・自社社員のみで行うイベント費用
自社の社員のみで旅行や運動会などのイベントを開催する場合、その費用も接待交際費に該当しません。クライアントが参加するイベントの費用は、基本的に接待交際費に含められます。
・打ち合わせをするための飲食費
取引先と打ち合わせをしながら食事した場合、その費用は接待交際費ではなく会議費に分類されます。接待交際費と間違えやすいため、注意しましょう。
・取引先に物品を贈与するためにかかる費用
カレンダーや手帳、うちわなどの物品を贈るための費用も接待交際費には該当しません。
・記事の執筆や放送のためにかかる取材費用
雑誌や新聞などの記事執筆のため、食事をしながら取材を行うこともあるでしょう。この飲食代は原則接待交際費には該当しません。また、放送番組を編集するために実施される座談会費用なども同様です。
取引先との飲み会費用を経費に計上する場合の注意点
飲み会の費用を経費計上する際は、気をつけたい点がいくつかあります。それは、レシートをきちんと保管しておくことです。忘れずに領収書をもらい、紛失しないように注意しましょう。また、領収書をもらう際は、できる限りその場で内容をチェックすることがおすすめです。
領収書は「飲食をした年月日」「飲食の参加者の氏名もしくは名称およびその関係」「参加者人数」「飲食にかかった金額」「飲食店の名称および所在地」「そのほか飲食にかかった費用であることを明らかにするために必要な事項」などを明らかにする必要があります。
万が一、領収書の内容に不備があってもその場ですぐ修正してもらえるよう、目を通しておきましょう。
取引先との飲み会費用は経費に計上できる!条件には注意しよう
取引先との飲み会にかかった費用は、条件を満たす場合に接待交際費として計上できます。ただし、どのような飲食代でも接待交際費に計上できるとは限りません。
例えば、一人あたり5000円以下の飲食代や、社員のみで行ったイベント費用などは経費計上できないため注意が必要です。また、経費として計上するには必要事項が記載された領収書が必要です。接待交際費は会議費などとも間違いが起きやすいため、該当する条件をよく確認しましょう。
出典
国税庁 No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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