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お花見で「新入社員に場所取り」させるのはパワハラ? その分の「残業代」を請求できるって本当?

ファイナンシャルフィールド / 2024年4月11日 4時40分

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だんだんと日差しが暖かくなり、土手には小さな花が咲き始め、春の訪れを感じるようになりました。桜の開花時期に合わせ、お花見を計画している人もいるでしょう。そんなお花見は家族や友人だけでなく、会社の集まりとして催されることもあります。   会社規模でお花見をする場合、大人数となることが多く、事前に場所取りをする必要が出てきます。   「花見の場所取りは新入社員の仕事」で朝早くから桜の見える良い場所にブルーシートを敷き新入社員が待機するというのは、昭和の時代によく見られた光景です。その会社の慣習を引き継いで、令和の現在に新入社員に花見の場所取りをさせるというのは問題がないのでしょうか。   本記事では新入社員に花見の場所取りをさせることについて、パワハラにあたらないのか、また残業代は必要かについて考察します。

花見の場所取りはパワハラになる?

厚生労働省によるとパワハラとは「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・肉体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」のことをいいます。
 
今回のように新入社員だけに花見の場所取りをさせる慣習がある場合、新入社員に丸投げをしてしまうと例年の段取りが分からず不安になってしまうこともあるでしょう。新入社員が「精神的苦痛」を訴えるかもしれません。
 
また、新入社員の立場では、上司に場所取りをするよう言われたら断ることは難しいでしょう。そのため新入社員「だけ」に場所取りを押し付けると「職場の地位による優位性を背景にしたパワハラ」ととらえられることもあります。そうならないために、新入社員に意向を確認したり、指導をする先輩がついたりするなどの配慮をする必要があるでしょう。
 

花見の場所取りは残業代が必要?

労働契約法において、労働者が労働をするのは、労働者と使用者が労働・賃金で合意が成立した労働条件に該当する業務をおこなうときとなっています。
 
そのため今回のケースでいうと「花見の場所取り」が労働条件を満たしているかという点がポイントです。花見の場所取りは一般的に考えて会社の通常の業務とは異なるでしょう。しかしこの業務に対して労働者が納得すれば労働条件が合意されたとみなされます。
 
ただし、この労働条件は賃金の支払いがセットとなっているので、「業務命令」として花見の場所取りを新入社員に頼む場合、その労働に対する賃金が必要となります。多くの花見は勤務が終わった後、あるいは休日におこなわれることもあるので、その場合は時間外労働として残業代が必要になるということになります。
 

宴会は同僚の交流を深める方法のひとつ

花見や飲み会といった宴会は、会社の同僚との親睦を深めることができるといった側面があります。しかし、「強制参加」「雑用は新入社員に押し付ける」といった風習では、参加そのものが苦痛となってしまうこともあるかもしれません。
 
昔の感覚のまま「場所取りは新入社員の仕事」と杓子定規にするのではなく、個々の負担を減らすために従業員全員で協力して準備をおこない、みんなで楽しめる時間にすることが望ましいでしょう。
 

出典

厚生労働省 パワハラ6類型
e-Gov法令検索 労働契約法
 
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

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