直属の上司以外からの「残業依頼」は断れますか? 稼げるのはありがたいですが、全員の仕事は請け負いきれず困っています…。
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月18日 4時50分
一般的に、残業は直属の上司を通じて依頼されるものです。直属の上司以外からも残業を頼まれる状況では、オーバーワークになってしまいかねません。残業代を稼げるのはメリットではありますが、体を壊してしまっては本末転倒です。 この記事では、残業をするにあたって、そもそも知っておきたい基本ルールや残業を適切に断るための対処法について解説します。
残業は原則として1ヶ月45時間まで
労働基準法では、労働時間の上限を「1日8時間、1週40時間」と定めており、これを法定労働時間と呼びます。法定労働時間を超えて時間外労働をさせる場合には、36協定を締結して労働基準監督署に届け出たうえで、割増賃金を支払わなくてはなりません。
時間外労働には限度が定められており、一部例外を除き、原則として「月45時間」「年360時間」までです。直属の上司以外からも残業を頼まれているということですが、まずは月の残業時間を確認してみましょう。すでに45時間に達している・超えそうという場合には、「残業時間の上限」を理由に断れます。
残業を断りたいときの対処法
残業時間の上限を超えていなくても、「今日は定時で帰りたい」という日もあるでしょう。ワーク・ライフ・バランスを大事にするには、プライベートの時間確保も重要です。職場の人間関係を良好に保ちつつ、残業を断りたいときには、以下の3つの方法で対処しましょう。
・体調が優れないことを伝える
会社には、「労働者の安全・健康に配慮する義務」があります。体調不良は、残業を断る正当な理由になり得ます。ウソをつくのはよくありませんが、実際に長時間の残業が続いていて体調が優れないときには正直に申し出ましょう。「疲れがたまっていて、今日残業すると体調を崩してしまいそうなので」などと、具体的に伝えると理解を得やすいでしょう。
・納期を確認する
業務上の必要性がない残業についても、残業依頼は無効となります。「この資料はいつまでに作成すればよろしいですか?」などの丁寧な言葉遣いで納期を確認しましょう。
今週内にできていればよいなど、納期に余裕がある仕事であれば、残業してまで急いで対応する必要はありません。「明日ならば残って対応できます」といった断り方でも角は立ちにくいでしょう。
・直属の上司に相談する
上司のほうでは、自分が直接頼んでいない仕事までは把握していない恐れがあります。対応に困るほど業務量が多い状況を上司にも共有しましょう。
上司経由で残業を断ってくれたり、今後の残業依頼は自分を通すように働きかけたりしてくれるかもしれません。仮に全員が毎日残業しないと仕事が回らない職場なのであれば、もう少し人手を増やせないのかという視点での相談も有効です。
上司に話しても解決しないときは人事部に相談を
目上の相手からの依頼では断りづらいかもしれませんが、どのような状況でもすべての残業に対応しないといけないわけではありません。体調が悪いときには断ってもかまいませんし、そもそも時間外労働には上限が定められています。
まずは、直属の上司に困っている状況を伝えてみましょう。それでも解決が見込めないときには、人事部に相談することをおすすめします。
出典
厚生労働省 法定労働時間と割増賃金について教えてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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