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自分の財産を相続させたくありません。遺留分もわたしたくない時はどうしたらいいですか? なにか方法はありますか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年5月10日 21時10分

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自分の旅立ちをイメージしたとき、気になることの1つとしてあげられるのは、自分の財産の行方ではないでしょうか。ただし、相続財産がわたるであろう家族等との関係性によっては、その人にはわたしたくないと考えることもあるでしょう。   相続財産は、必ず法律通りに引き継がなければならないのでしょうか。相続させたくない人が法定相続人にいるときには、どのように対処していけば良いのか、考えてみます。

法定相続の基本を知る

まず、おさえておくべきことは、法律で定められている「法定相続」について知っておくことです。
 
多くの人が口にする相続は、いわゆる「法定相続」のことであり、相続する人のことを「法定相続人」と言います。法定相続人になる人は、被相続人(亡くなった人)の配偶者と子や親、祖父母、兄弟などが該当します。
 
また、「法定相続」では順位が決められており、第1順位、第2順位、第3順位と分かれています。数字が若いほうが優先され、第1順位に該当者がいないときには第2順位の人に、第2順位の人もいないときには、第3順位の人が相続します。また、配偶者は常に法定相続人に該当します。順位の内容は下記のとおりです。


第1順位は直系卑属(ちょっけいひぞく)と言われる、子や孫です。
第2順位は直系尊属(ちょっけいそんぞく)と言われる、親や祖父母です。
第3順位は兄弟姉妹や甥や姪です。

相続人のイメージとしては、被相続人(自分)を起点に、前の代にさかのぼるのか、後の世代なのかということです。なお、兄弟姉妹が存命のときには、甥や姪は法定相続人になりません。
 
また、図表1のように相続できる財産の比率・割合は、法律で決められています。
 
【図表1】


 
法定相続分には遺留分(いりゅうぶん)と言って、遺言によっても奪うことのできない遺産の一定割合の留保分のことをいいます。また、遺留分にも割合が決められています。割合は下記のとおりです。


(1) 配偶者のみが相続人の場合 2分の1
(2) 子のみが相続人の場合 2分の1
(3) 直系尊属のみが相続人の場合 3分の1
(4) 兄弟姉妹のみが相続人の場合 遺留分なし
(5) 配偶者と子が相続人の場合 配偶者が4分の1、子が4分の1
(6) 配偶者と父母が相続人の場合 配偶者が3分の1、父母が6分の1
(7) 配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合 配偶者が2分の1、兄弟姉妹は遺留分なし

(出典:法テラス「遺留分とは何ですか?」より引用)
 

相続させたくない人がいるときの対処法

法定相続人にもかかわらず相続させたくない人物がいる場合には、法定相続人になり得る人との人間関係が大きく影響します。
 
ただし、配偶者、子ども、親には遺留分があるため、遺言書を作成して財産を渡さないようにしても、「遺留分侵害額の請求調停(以下、遺留分侵害額請求)」が行われた場合、遺留分に相当する財産は取り戻されます。
 
しかしながら、兄弟姉妹・甥姪には遺留分がありません。法定相続人が兄弟姉妹・甥姪のときには、遺言書を作成し「兄弟姉妹に遺産を相続させない」旨を書いておけばOKです。
 
では、遺留分のある人に対して財産を引き継ぎたくない場合の対処法を考えてみましょう。
 

1. 財産を減らしておく

あらかじめ相続させたい人に生前贈与をしておき、財産を減らしておけば、引き継がせたくない人の財産は減ることになります。しかしながら、法定相続人への相続開始前10年間の生前贈与は、遺留分侵害額請求の対象となります。そのため、それより前のタイミングで生前贈与をしておく必要があります。
 

2. 第三者に死因贈与する

遺贈や贈与なら、法定相続人の人でなくても財産を引き継ぐことは可能です。ただし、遺贈や死因贈与をした場合は、遺留分侵害額請求の対象です。
 

3. 法定相続人から排除する

非行のあった相続人から相続権を奪う方法のことを「相続人廃除」と言います。
 
とはいえ、ただ気に入らない、仲が悪い等の理由だけでは排除することはできず、被相続人に対する虐待や金銭の使い込み等、相続人に著しい非行があったときに限られます。廃除するためには、被相続人の居住する場所を管轄する家庭裁判所で申請しなければなりません。
 
なお、遺言の作成時に相続人を廃除する旨を書いておけば廃除することもできます。この場合は、「遺言執行者」が申し立て手続きを行いますが、著しい非行があった場合のみ認められます。
 
相続に関する法律は厳密なルールがあるため、手続きするタイミングによっては、財産を引き継がなければならないケースも生じます。どうしても財産、遺留分までもわたしたくないなら、できるだけ早く弁護士等に相談をし、どのように対処するべきかを考えると良いでしょう。
 

出典

国税庁 財産を相続したとき
法テラス Q 遺留分とは何ですか?
 
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

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