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月収12万円、生活保護を受けるなら「自動車」は処分しなければいけませんか? 地方在住で、徒歩だと「仕事」も「買い物」も難しい距離です…

ファイナンシャルフィールド / 2024年5月11日 3時0分

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最低限の生活を送るための収入が得られない人を対象にした、生活保護制度。経済的に困窮してしまった世帯にとって最後のセーフティーネットになる制度ですが、申請するには受給要件を満たす必要があります。例えば、不動産や車などの資産は売却して生活費に充てる必要があります。   しかし、地方に住む人や子育て世帯にとっては、車はなくてはならない重要な移動手段であることも少なくありません。生活保護を受けるなら、必ず車を処分しなければいけないのでしょうか。

生活保護とは

生活保護とは、憲法が定める「健康で文化的な最低限度の生活」を保障し、人々の自立した生活ができるよう援助する制度のことです。世帯収入だけでは国が定める「最低生活費」に満たないという場合、不足する金額を受け取ることで最低限度の生活が保障されます。
 
また、最低限度の生活が保障されるのに加え、生活保護の受給者が経済的に自立できるような支援が実施されます。身体・精神的に就労可能な状態になった場合、福祉事務所の就労支援員とハローワークの相談員が連携して就労支援プランを作成してくれたり、面接の練習をさせてくれたりといった就労支援を受けることが可能です。
 

生活保護の受給要件とは

生活保護を受給するための「保護の要件」には「世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提」と定められています。
 
資産の活用とは「預貯金、生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等をして生活費に充てる」ということです。
 
仮に収入が最低生活費以下でも、売却して現金になる資産があれば、まずそれを売却して生活の立て直しを図ることになります。
 
そのほか「働けるならその能力に応じて働くこと」「年金や手当など他の制度で得られる給付を活用すること」「親族等から援助を受けられる場合は援助を受けること」という要件があり、それでも収入が最低生活費に満たない場合に保護の対象になります。
 

車が必須の地方住まいでも生活保護を受けるなら車を処分しないといけない?

生活保護を受けている人は、原則として車を持つことができません。前章でも紹介した通り、生活保護を受けるためには家屋や車などの資産は売却して生活費に充てなければいけないためです。
 
また、生活保護を受けている人は車の維持費用の捻出が難しいこと、万が一事故を起こしたときに賠償能力がないことも、生活保護を受けている人が車を持てない理由とされています。
生活保護費はローン返済に充てるためのものではないため、生活保護を受けるならローン返済中の車でも売却するように指導されるでしょう。
 
ただ、都市部のように公共の交通機関が発達しておらず、自家用車がないと移動ができない地方都市も確かにあります。
 
そのような場合、以下の4つのケースのいずれかに当てはまると生活保護を受給中でも車の所有が認められる可能性があります。

1.事業のために車を必要としている
2.公共交通機関の利用が著しく困難で通勤や通院などができない
3.概ね6ヵ月以内に生活保護からの脱却が見込まれる
4.保育園などの送迎に車を必要としている

公共交通機関がないことによる車の保有には細かな条件がありますが、「(車の)保有が社会的に適当と認められるときには、その要件を一定程度緩和して、解釈・運用をする必要がある」という場合もあります。どうしても車がないと生活が難しいということであれば、その旨をケースワーカーに伝えてみましょう。
 

まとめ

生活保護を受給するためには自身が持つ資産を売却する必要があり、原則として車を持つことはできません。ただし、地方に住んでいて公共交通機関を利用できなかったり子育てに必要だったりする場合には車の所有が認められるケースがあります。
 
車がないと日常生活を送ることができない人は、まずはケースワーカーに相談してみましょう。
 

出典

厚生労働省 生活保護受給者等就労自立促進事業
厚生労働省 生活保護制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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