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警察官や消防官だった人は年金を早く受け取れる?

ファイナンシャルフィールド / 2019年12月18日 3時0分

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老齢年金の支給開始年齢は引き上げられ、生年月日によってその年齢が異なっていますが、同じ生年月日でも一定の警察官や消防官(消防吏員)だった人は、一般の公務員と比べて、早く受けられることもあります。  

支給開始年齢の引き上げは一般の公務員の6年遅れ

老齢年金の支給開始年齢は60歳から65歳へと段階的に引き上げが行われています。会社員(第1号厚生年金被保険者)の男性と国家公務員(第2号厚生年金被保険者)・地方公務員(第3号厚生年金被保険者)・私立学校の教職員(第4号厚生年金被保険者)の男女の場合、1941年4月2日以降生まれの人から引き上げが始まり、最終的に1961年4月2日以降生まれの人は、原則60歳台前半から年金を受給することができず、65歳からとなります(【図表1】)。
 
一方、会社員(第1号厚生年金被保険者)の女性については、その5年遅れとなっていますので、引き上げの開始は1946年4月2日以降生まれの人からで、65歳からの受給となるのは1966年4月2日以降生まれの人です(【図表1】)。
 
これが引き上げの原則ですが、公務員のうち、特定警察職員、特定消防職員という一定の警察官、消防官として勤務していた人の場合は異なります。
 
特定警察職員、特定消防職員の場合の支給開始年齢の引き上げは、一般の公務員より6年遅れとなっています。つまり、1947年4月2日以降生まれの人から引き上げが始まり、65歳支給開始となる世代は1967年4月2日以降生まれです(【図表1】)。
 

 

対象は一定以下の階級で20年以上勤務した場合

その特定警察職員と特定消防職員の対象となる人ですが、60歳になった時点で、あるいはそれより前に退職している場合は退職時点で、引き続き20年以上「警部」以下の階級で勤務していた警察官が特定警察職員となり、同様に20年以上「消防士令」以下の階級で勤務していた消防官が特定消防職員となります(警察官と消防官の階級は【図表2】)。現場で長く勤務していた警察官や消防官が該当するといえます。
 

 
【図表1】のとおり、当該特定警察職員・特定消防職員は、1967年4月1日以前生まれであると、65歳より前から年金が受け取れます。同じ公務員で、同じ生年月日であっても、こういった警察官や消防官だけは早く年金を受け取れるということにもなります。
 
もし、1959年4月2日生まれの場合であれば、一般の公務員は64歳から年金が受けられるようになるところ(【図表1】(10))、特定警察職員・特定消防職員は、それより早い61歳から年金が受けられます(【図表1】(7))。
 
なお、警察署・消防署勤務でも事務職員として勤務してきた人や、警部以下の警察官、消防司令以下の消防官としての勤務期間が20年未満だった人は対象にならず、一般の公務員と同じ支給開始年齢ですので注意しましょう。
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

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