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年金を受け取るための資格期間が足りない…学生期間を足して受給できることも?

ファイナンシャルフィールド / 2020年1月28日 23時15分

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老齢年金(老齢基礎年金や老齢厚生年金)を受給するためには保険料の納付や免除の期間が10年以上必要です。また、自身が老齢年金を受給している時に死亡した場合に、その遺族に遺族年金が支給されるためには、当該期間は10年では足りず、25年以上必要です。しかし、必要とされている期間に満たない場合もあるでしょう。   そこで、その納付と免除の期間だけでは足りない場合については、カラ期間(合算対象期間)も足して10年以上あるいは25年以上あれば、必要な資格期間を満たせて年金の受給が可能です。このカラ期間の中には、一定の学生であった期間も対象となっていますので、20歳以降で学生だった人は確認してみる必要があります。  

1991年3月まで学生は国民年金加入が任意

原則、20歳以上60歳未満の人は国民年金に加入義務があります。現在、学生であっても20歳になれば加入することになります。ただし、学生期間中の保険料の納付を猶予してもらうことができます(学生納付特例制度)。
 
20歳以降の学生が、国民年金に完全に強制加入となったのは1991年4月からです。国民年金制度が本格的にスタートした1961年4月から1991年3月までは、20歳になっても一定の学生は国民年金への加入は任意でした。
 
任意であるために、加入していない人も多かったと考えられますが、20歳以上60歳未満の当該期間はカラ期間に算入することができ、納付と免除だけで10年(2017年7月までは25年)ない場合にカラ期間も足して10年以上の期間があれば、老齢年金を受け取ることも可能になるでしょう。
 
また、カラ期間も足して25年以上あって老齢年金を受給する自身が死亡した場合には、その一定の遺族に遺族年金が支給されることにもなります。任意加入はして保険料を納めなかった場合についても同様にカラ期間に算入されます。
 
なお、カラ期間は自身の老齢年金の受給において、必要な資格期間には算入されても、納付や免除の期間と異なって年金額には反映されませんので、当該カラ期間分の老齢年金は0円で計算されます。
 

通う学校の種類によって異なるので注意!

しかし、学生といってもさまざまです。全ての学校の学生期間がカラ期間に算入されるわけではありません。
 
まず、カラ期間に算入されるのは昼間部や全日制であることが条件です。夜間部や通信制に通う学生は1991年3月以前も国民年金に強制加入だったため、当該学生期間は対象外となり、昼は働きながら夜学校で勉強していた時期についてはカラ期間になりません。
 
また、1961年4月から1991年3月まで、昼間部の大学や大学院などに通っていた期間はカラ期間になりますが、1986年3月まで専門学校に通う学生の期間は対象になりません。専門学校生時代がカラ期間になるのは1986年4月から1991年3月までの期間に限られていますので注意が必要です(【図表1】)。
 

 

在籍していた期間がカラ期間に

カラ期間の対象となる学生の種類は以上のとおりです。対象となる学校の学生として、20歳以降「在籍していた期間」がカラ期間になります。
 
基本的に20歳到達月から卒業の月までがカラ期間として計算されますが、例えば四年制大学(昼間部)で、20歳以降に途中で中退した場合は中退前月までの期間が、4年を超えて卒業したような場合は実際の卒業月までの期間がそれぞれカラ期間です(【図表2】)。
 

 
年金を受け取るための納付、免除期間が足りなくて、学生だったことがある人は、該当するカラ期間があるかどうか、ある場合は何月あるかを調べてみましょう。
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

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