老後資金はやはり2000万円必要? 年代別の貯蓄額、理想と現実のギャップは?
ファイナンシャルフィールド / 2020年11月8日 23時0分
昨年「老後資金2000万円問題」が話題となり、どうやって老後資金を貯めたらいいのだろう、と考えている人もいるのではないでしょうか。老後資金だけでなく、子どもの教育資金や親の介護の資金など、お金はいくらあっても足りません。
松井証券株式会社(東京都千代田区)は子どもと親のいる全国の20代から60代男女を対象に、「老後資金に関する調査」を実施しました。みなさんはどれくらい老後資金を準備しているのでしょうか。
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年代が上がるほど世帯貯蓄額と理想の貯蓄額のギャップが大きく
現在の世帯貯蓄額と、現在の生活における理想の世帯貯蓄額を尋ねたところ、現在の世帯貯蓄額は、中央値で20代「100万円」、30代「300万円」、40代「350万円」、50代「500万円」、60代「1200万円」であることが分かりました。
理想の世帯貯蓄額については、20代「480万円」、30代「1000万円」、40代「1000万円」、50代「2000万円」、60代「3000万円」となりました。年代が上がるにつれて、理想と現実の貯蓄額の差が大きくなっており、60代では1800万円となっています。
40代までは子どもの学費のための貯蓄だが、50代からは自分のため
誰のために貯蓄をしているのか聞いたところ、全体での1位は「自分たち夫婦のため」で71.3%、2位は「子どものため」(67.6%)、3位は「自分のため」(21.8%)となりました。
世代別に見ると、20代から40代では「子どものため」が80%から90%で、ほとんどが子どものための貯蓄であることが分かります。それが50代になると50.0%、60代では32.5%と大きく下がります。
20代後半に子どもが生まれたならば、40代のうちや50代初めには大学を卒業しますよね。子どものための貯蓄は40代までに多くの人が終了するようです。30代半ばやそれ以降に子どもが生まれた人は、もうしばらくの辛抱です。
貯蓄する一番の理由は、「子どものため」には「学費」(67.3%)、「自分たち夫婦のため」「自分のため」には「老後」(自分たち夫婦のため:80.4%、自分のため:56.9%)、「親のため」には「介護」(72.7%)となりました。
子どもの学費が貯まったと思ったら、次は介護や自分の老後資金のために貯蓄をしなければなりませんね。
40代くらいから資産運用・資産形成すべき? 目標はやはり2000万円
老後に不安があるかと尋ねたところ、「不安がある」(43.1%)、「やや不安がある」(40.5%)合わせて8割以上が「老後に不安がある」と回答しました。
老後に不安があると回答したに、何に不安を抱えているのかを尋ねたところ、79.5%と約8割が「老後の資金」と回答しました。以下、「老後の健康維持」(53.1%)、「老後の夫婦関係」(27.7%)という結果となりました。
60代で「老後の資金に不安を抱えている」と回答した人に現在の貯蓄だけでは老後資金が足りないと思うかと尋ねたところ、「そう思う」(67.9%)、「ややそう思う」(23.5%)と、合わせて9割以上が現在の貯蓄だけでは、老後の資金が足りないと感じていることが分かりました。
60代で「貯蓄だけでは老後の資金が足りないと思う」人に、若いうちにやっておけばよかったと思うことを聞いたところ、50.0%が「資産形成・資産運用」と回答しました。
また、資産形成・資産運用をやり始めるべきだと思う年代を聞いたところ、40代(35.1%)からという回答が最も多く、以下は30代(29.7%)、20代(18.9%)となりました。
銀行に預けているだけでは増えないどころか引き出しの手数料でマイナスになりかねません。若いうちから投資などの資産運用で資金を増やすべきだったと悔やんでいる人も多いようです。
老後のために必要だと思う資金を尋ねたところ、中央値は2000万円という結果となりました。老後資金2000万円問題が話題になったため、老後にはこのくらいは必要だという目安になっているのだと思われます。
一方で、老後のために必要な資金は「分からない、考えたことがない」(33.5%)となり、3人に1人が金額のイメージを持っていないという状況も明らかになりました。
若いうちは子どもの教育費、歳をとったら老後資金、常にお金が必要です。効率よく資産形成するには普通預金だけでなく、資産運用も考えたいものです。
歳をとってからではハイリスクハイリターンの商品には手を出しづらいですが、若いうちなら多少強気なプランも選択できるでしょう。何事も早いうちに取り組んだ方がいいかもしれませんね。
[出典]※松井証券株式会社「老後資金に関する調査」(株式会社 PR TIMES)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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