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新NISAの対象商品にはどんな種類がある?「REIT」「インド株」「隔月分配型」を解説!

Finasee / 2024年1月9日 11時0分

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Finasee(フィナシー)

新NISAで注目されている投資信託

2024年となり、いよいよ新NISAがスタートしました。この開始とともに1月から成長投資枠で買える商品は、投資信託が1793銘柄とETFが281銘柄のほか、上場している株式です。また、これらの投資信託・ETF 2074銘柄のうち、つみたて投資枠で買える商品は241銘柄となっています(2023年12月1日現在)。

この中で人気の商品は、やはり“全世界株式型(オールカントリー型)”と、米国に投資する“S&P500”です。新NISA枠の全額を全世界株式かS&P500に回す方もいれば、「つみたて投資枠で全世界株式かS&P500を買い、成長投資枠で個別株を買う」など、枠を使い分けて投資する方も多いのではないでしょうか(なお、S&P500と全世界株式の比較は前回記事『新NISA開始間近!「S&P500 vs オルカン」結局どちらを選べばいい?【徹底比較】』にて解説しています)。

このような投資は、ある意味で正解です。全世界株式やS&P500などの「大きな流れ」に乗ることは、無難で堅実。決まった商品を定額・定期的に積み立てていくだけなので、投資の判断に時間もかかりません。「投資の判断にはなるべく時間を割かず、本業やスキルアップのために目いっぱい時間を使いたい」という方の多くは、おそらく最終的に“全世界株式かS&P500か”という答えにたどり着くのでしょう。

一方で、新NISAでは株式以外に、約2000もの投資信託・ETFから商品を選ぶことができます。これだけ選択肢があるのに、「全世界株式かS&P500か」という2択から決めるのもなんだか味気ない。他にも魅力的な投資信託が隠れているかも……!

そのように考える、“一歩踏み込んだ投資”をしたい方。本記事では、新NISAの成長投資枠で買える「あまり注目されていない投資信託」について解説していきます。まだまだ広くて深い投資の世界、みなさんの視野が少しでも広がれば幸いです。

「REIT」ってどんな商品?

新NISAで買えるけど、あまり注目されていない商品。その1つが、REIT(リート)です。

REITとは「Real Estate Investment Trust」の略で、不動産投資信託のことを指します。通常、数億円もする土地や建物に対して、個人が投資することは難しいでしょう。これを切り売りして、個人でも持てるようにしたものがREITです。

一等地ビルの値上がりによる恩恵を受けたいけど、ビルなんか買えるわけがない……という方でも、REITに投資すれば利益の一部が還元されます。さらに、不動産価格の値上がりだけでなく、テナント料や賃料収入が分配される点もおいしいところです。

具体的な商品としては、「みずほJ-REITファンド(年1回決算型)」などがあります。この“J-REIT”とはJapan REIT、つまり日本の不動産のみを投資対象にした商品のこと。日本の不動産は、これから伸びる! 国内不動産からの賃料収入を、間接的に得たい! と考える方は、この商品のように“J-REIT”という単語をキーに探してみると良いでしょう。

なお、同じJ-REITであっても、「日本のどの不動産に投資するか(商業施設向け/オフィス向け/居住用向けなど)」が異なります。やみくもに「J-REIT」と名の付く商品を買うのではなく、しっかりと商品性を確認する必要があります。さらに海外の不動産に投資したい方であれば、「iFree外国REITインデックス」などの商品も選択肢に入ります。

これらの商品にはREIT特有のリスクも伴います。地価が変動するリスク、空室が発生するリスク、地震・火災が発生するリスク……。一方で、これらのリスクは一般的な株式投資とは性質が異なるものでもあります。そのため、REITへ投資することで「株式投資との分散効果」も期待することができるのです。新NISAでは株式型の投資信託ばかりが注目されますが、しっかり収益を狙いつつ、分散効果を高めたい方は「REITへの投資」も1つの選択肢となるでしょう。

「インド株」って実際どう?

続いて、さらに突っ込んだ投資商品を見ていきます。特定国の株式に投資するファンド……具体的には、「ニッセイ・インド厳選株式ファンド」といった投資信託などです。

世界的にも、今後インドの注目度は高くなると予想されます。例えば人口面は、すでにインドは世界一。平均年齢も28歳と若く、ただ人口が多いだけでなく“活力にあふれた国”と表現することができます。さらに、インドでは英語が準公用語となっているほか、ITや数学に強い人材も多く、よりグローバルな活躍が見込まれるでしょう。

すでに成熟した先進国と比べ、人口がどんどん増えているインド。投資の観点から見ると「フレッシュにバリバリ働ける人が多く、今後株価が大きく伸びる可能性を秘めている」と評価できます。

この話だけを聞くと、「そんな将来性のある国、絶対投資すべきでしょ!」と思うかもしれません。一方で、このように急成長している国には、やはり特有のリスクが潜んでいます。

そのリスクを一言でいうと、「インフラ・政治ともに不安定である」ことです。経済は急成長しているものの、主要都市以外での物理的なインフラ(道路や水道・電気など)が貧弱。政権交代により、ビジネスに関する制度や対外的な規制が大きく変わる可能性があるなど、政治リスクが比較的高い。先進国と異なり、“あらゆる基盤が整っていない”という点は、やはりリスクでしかありません。このように、急成長する国は大きく伸びる可能性を秘めつつも、ちょっとしたきっかけで株価が暴落するリスクがあるのです。

「インド株」に集中投資する商品は、確かにリターン面で魅力的です。一方で、“インド株1本への投資”はあまりにもリスクが高く、個人的には推奨できません。このような商品は、分散投資先の1つとして見るのがおすすめです。

夢の不労所得!? 「隔月分配型」の投資信託とは?

最後は少し視点を変え、「隔月分配型」の投資信託を解説していきます。

隔月分配型とは、「2カ月に1回、分配金が出る投資信託」のことです。通常の株式投資で得られる配当金は、年1~2回であることがほとんど(業績によっては、配当金が出ない場合もあります)。それに比べ、隔月分配型の投資信託であれば年6回もの分配金を受け取ることができ、なんだかおトクな気もします。一方、このタイプの投資信託には2つの注意点があります。

1つは、実質的に元本が取り崩されること。隔月分配型の投資信託では、原則としてファンド内で利益が出ようが出まいが、決まったタイミングで決まった額の分配金が支払われます。したがってファンドで利益を出せない場合、“分配金“はただ自分の投資元本が取り崩されているだけ、となってしまうのです。

そしてもう1つは、信託報酬の高さです。投資信託から資産を取り崩し、分配金として投資家全体にお金を還元する。この大変な作業を年6回も行うので、それなりに運営側のコストがかかってしまいます。当然ながらそのコストは投資家が負担する必要があり、どうしても信託報酬が高くなってしまうケースが多いのです。

一方、隔月分配型の投資信託にもメリットはあります。それは、自動的に年金を補完できることです。年金支給日は偶数月なので、“奇数月に分配金が支払われるファンド”を選ぶことで、老後の生活安定につながります。実質的には自分が積み立てたお金を取り崩しているだけとはいえ、それを自動でやってくれるのはかなりラクです。

ちなみに隔月分配型の投資信託を購入するのであれば、NISA制度の活用はほぼ必須。その理由は、分配金の受け取りには税金がかかるためです。もしNISAを使わず隔月分配型の投資信託を買った場合、「自分で積み立てたお金を、20.315%の税金を払いながら取り崩す」ことになってしまうのです。商品のメリット・デメリットを理解し、使える制度は最大限に使っていきましょう。

参考
・一般社団法人投資信託協会「NISA成長投資枠の対象商品(2023年12月1日現在)」

浅見 陽輔/銀行員・証券アナリスト

大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科を卒業後、2013年に銀行に就職。10年のキャリアで、投資運用、リスク管理、法人・個人向け融資、システム部門を経験。証券アナリスト、FP2級、簿記2級、税務上級など20種類の金融系資格を保有。趣味は優待株投資と筋トレ。本業の傍ら、Kindle(電子書籍)作家としても活動中。代表作に『図解 新NISA』『トクする株主優待の選び方』『最後のジュニアNISA』『絶対に続く筋トレ』などがある。Twitterアカウントは【@you_def】。

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