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川口能活×楢﨑正剛の再来なるか 日本代表、「2大GK時代」突入への予感【コラム】

FOOTBALL ZONE / 2024年4月5日 15時30分

■谷晃生と大迫敬介の東京五輪世代2人に脚光

 J1リーグ第6節が4月3日に開催され、首位のFC町田ゼルビアは5位のサンフレッチェ広島と対戦し、1-2と敗れた。この結果、町田は勝ち点13で首位を守ったものの、広島が勝ち点を12に伸ばして2位につけている。

 この試合の見どころの1つは、町田の谷晃生と広島の大迫敬介という、東京五輪の際に正GKの座を争った2人のプレーだった。U-23日本代表が2020年に戦った3試合はすべて大迫が先発。だが、2021年6月になると谷がポジションを掴み、そのまま東京五輪の6試合すべてに出場する。

 2人とも2022年のカタール・ワールドカップ(W杯)の日本代表メンバーには入れなかった。明けて23年、谷は東口順昭との競争で苦しみ、リーグ戦では10試合900分プレーしたのみ。8月にはFCVデンデルEH(ベルギー)へと移籍したものの、そこでも出場は1試合にとどまる。日本代表も2023年3月まではメンバー入りしたものの、その後は選出外とされてきた。だが2024年1月、町田へ移籍して心機一転。すぐにレギュラーの座を掴み数多くのピンチを救っている。

 一方の大迫は2023年、カタールW杯後の日本代表で10試合中5試合ゴールを守り、すっかり日本代表での地位を固めたかのように見えた。だが、Jリーグのシーズンオフとなった12月8日、右手舟状骨骨折の手術を受け、今シーズンはどこまでプレーのレベルを戻せるのかが焦点となっていたが、すっかり復調した姿を見せている。

 ずっとライバルとして競い合ってきた2人は、もちろんお互いを意識している。対戦前に谷は大迫の凄さをこう語った。

「やっぱりどっしりしてます。ゴール前で存在感がすごくあると思います。シュートへの反応が早いし、準備が早いので、シュートを打たれる時にやっぱり余裕があるんです。ギリギリまで動かないんで、そこはすごく見習うべきポイントだといつも思います」

 一方で、「自分の長所は守備範囲の広さやクロスボールなので、特に守備範囲の広さは負けたくないと思います」とも語っている。


かつてしのぎを削った楢﨑正剛氏と川口能活氏【写真:Getty Images】

■川口能活×楢﨑正剛のライバル関係を超えられるか

 試合は、堅守を誇る両チームながらシュートが乱れ飛んだ。しかも圧倒的に広島が試合を支配したため、町田のシュート5本に対して広島は16本ものシュートを放っている。

 試合後、大迫は安堵の表情を浮かべながら「フィールドの選手がみんなハードワークしてるおかげで、ほとんど僕のシーンはなかったですが、逆に失点シーンが悔やまれます」と振り返った。

 谷については「晃生から盗むところがいっぱいありますし、今回は相手チームでしたけど、お互いまた頑張って代表に選ばれて、一緒にプレーできれば嬉しいと思っています」と、またともに代表チームでプレーしたいと願っていた。

 この日、予想外に出番が多かった谷は「(日本代表を)あまり意識しすぎずに、試合でいいパフォーマンスをして、いい結果出すしかないと思います」と控え目な発言をして試合会場を去ったが、報道エリアの外で大迫と話し込んでいた。

 実は、日本代表の下田崇GKコーチが今季町田の試合を視察に訪れたのはこの試合を含めて3回目。リーグ戦の半分を町田の視察に充てているというのは、谷への関心が高いと言えるだろう。3月の日本代表に招集されたのは大迫だけだったが、今後はまた同時招集されることもありそうだ。

 同世代でレベルが同じGKが2人揃うことは、過去の日本でも何度かあった。最近では1975年生まれの川口能活、1976年生まれの楢﨑正剛が日本代表でもライバルとしてポジションを争っている。1998年、2006年のW杯では川口が、2002年は楢﨑が正GKとしてゴールを守った。1999年生まれの大迫、2000年生まれの谷も同じような関係になり、今後の日本代表を引っ張っていくのか。

 現在は大迫が一歩リードということになるだろう。谷は2023年の大迫の活躍を見て焦りはなかったのか。「そこまで焦りはないですが、すごくいい刺激を受けていました」と谷は言う。

「焦りはなくて、1年後、5年後、10年後にどうなってるかが自分にとってはすごく大事です。もちろん今があってのことだと思いますが、ずっと上手くいく人生もあまりないと思うので。最終的に目標のW杯だったり、そういうところに行ければいいと思って日々取り組んでいます」

 現在、日本代表のGKは29歳の前川黛也、24歳の大迫、21歳の鈴木彩艶と、年齢層を考慮しながら構成されている。ということは、谷と大迫はどちらかしか招集されない可能性はある。熾烈な戦いはそれだけではない。2002年生まれの鈴木が一気に追い抜くことも考えられるだろう。川口、楢﨑の時代を引き継ぎW杯3大会でゴールを守った川島永嗣という例もあるのだ。

 誰がアジアカップの5試合で8失点した日本の守備を立て直すGKになるのか。北中米W杯アジア2次予選の残り2試合の楽しみの1つだ。(森雅史 / Masafumi Mori)

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