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パリ五輪世代DF、無念のU-23アジア杯メンバー落選に胸中「目の前のことを全力でやるだけ」

FOOTBALL ZONE / 2024年4月8日 21時20分

■FC東京のDFバングーナガンデ佳史扶は「目の前のことをやるだけ」と繰り返す

「目の前のことをやるだけ」

 試合後のミックスゾーンの4分にも満たない短いやり取りの中で、FC東京のDFバングーナガンデ佳史扶は何度も繰り返した。

 3月に行われたU-23日本代表の親善試合のメンバーに選出されていたバングーナガンデだが、4月15日に開幕するパリ五輪予選を兼ねたU-23アジアカップのU-23日本代表メンバーからは漏れてしまった。

 メンバー発表後、初の公式戦となった4月7日のJ1リーグ第7節鹿島アントラーズ戦に先発出場したバングーナガンデは、積極的な攻撃参加を見せて存在感を示した。後半10分のFW仲川輝人の先制点の場面では、左サイドからアーリークロスを送ったMF松木玖生にパスを出し、しっかりと絡んだ。

 2-0で勝利し、今季初の連勝を収めた試合後、バングーナガンデは「すごくチームとしていい流れでこの連戦を締めくくることができました。来週からまた次はダービーがありますし、そのあとも連戦が続くので準備していきたいと思います」と言い、「(連勝は)最高ですね。シーズンがスタートした時は、ちょっと苦しいスタートだったんですけど、信じてやってきたことがやっと形になってきたかなというのがあります。課題はまだたくさんありますけど、しっかり修正して、本当に次が大事だと思うので、次のダービーに向けて頑張っていきたい」と、次節の東京ヴェルディとのダービーに気を引き締めた。

 カタールへ行くU-23日本代表は、1クラブ最大3名までという制約があったとされている。FC東京からは松木、FW荒木遼太郎、GK野澤大志ブランドンの3選手が選出されており、A代表のキャップも保持するバングーナガンデが外れた。

 U-23日本代表は7日の夜に決戦の地であるカタールへ飛ぶが、見送る立場となったバングーナガンデは「今、ロッカーで頑張ってきてねという話はした」と言い、「頑張ってもらいたいですし、僕はもう目の前のことをやるだけなんで。チームとして次にとても大事な試合があるので、そこに向けてやっていきたいです。3連勝も、ヴェルディとのダービーをJ1の舞台でやるっていうのも、本当に勝ちが求められる試合になると思うので、しっかりと勝ちたい」と、出場できることになったダービーに意気込んだ。

 年代別代表はU-23世代が最後であり、パリ五輪予選に参加できないことにショックもあるだろう。本大会の登録メンバーは18人で、オーバーエイジを3人使うのであればU-23年代の選手は15人しか選ばれない。そこに予選を戦っていないU-23の選手が入り込むのは、相当にハードルが高いことになる。

 サッカー選手として悔しい時を迎えたバングーナガンデは、「今だけじゃなくて、変わらずなんですが、本当に置かれた場所で、目の前のことを全力でやるだけなので。次の東京ダービーに向けてやっていきたい」と言い、五輪本大会への思いを聞かれても、「目の前のことをやるだけだから、チームのことに集中したい」と、繰り返した。

 ここからのパリ五輪のメンバー入りは簡単ではないだろうが、もちろん不可能でもない。「目の前のことをやるだけ」。それをやり続けた先にしか、今回の悔しさを晴らす術はないとバングーナガンデは分かっているはずだ。(河合 拓 / Taku Kawai)

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