G大阪シュート22本で0点…宇佐美貴史、2連敗でも「むしろポジティブ」と捉えた訳

■J1リーグ第3節延期分で横浜FMに完封負け

　ガンバ大阪は4月10日、J1リーグ第3節延期分で横浜F・マリノスとアウェーで対戦し、0-2で敗れた。直近の北海道コンサドーレ札幌戦（6日／0-1）に続く今季初の連敗で、3試合無得点となった。それでも攻撃を牽引した宇佐美貴史は試合後、悲観するどころか「全然悲観する内容ではなかった」と前を向いた。

　シュート数22対12。敵地に乗り込んだG大阪は序盤から攻めに攻めたが1点が遠かった。キックオフ後からウェルトン、宇佐美らアタッカー陣が再三相手ゴールへ迫ると前半12分、敵陣でボールを受けた宇佐美がそのまま前へボールを運びペナルティーエリア手前から右足を一閃し相手ゴールを脅かす。

　直後のコーナーキックではキッカーの宇佐美がニアサイドに送ったボールに対し、福岡将太が身を投げ出しながらヘディングシュートで狙うも、枠内へ飛んだシュートはGKがセーブ。その後もゴールの匂いを漂わせる場面は幾度もあったが結局、最後まで横浜FMゴールを陥れられないまま完封負けを喫した。

　試合後、取材エリアに現れた宇佐美の第一声は、実に潔かった。「決めればいいだけです。僕も含めてですけども、それだけです。それだけのところまで来てると思います」。敗戦後とあって当然、表情は晴れない。しかし、続く言葉からは、決して悲観的に捉えてはいない心情が察せられた。

「ノッキングを続けている状態であったり、ボールも回らなかったりで、自分たちで崩れていくような内容ではなかったと思いますし、最後の失点に関しては、前に行った結果生まれたもの」「危機感を募らせるべきではあるとは思いますけど、でも逆に言えばマリノス相手にこれだけ打ち合えたっていうシーズンはここ数年はなかった」

　敗れはしたものの、近年のJ1リーグで優勝争いを繰り広げてきた横浜FMに対して真っ向勝負ができた。残留争いに巻き込まれた昨季のG大阪であれば「守って守って、セットボールで1点、2点取ってっていうような勝ち方はできた」（宇佐美）が今季目指す戦いはそうではない。

　主体的にボールを運びながら、結果を追求するシーズン序盤戦。宇佐美は「試合をうまく勝ちに持っていかれたっていうところの未熟さはまだまだチームとしてはあります」と危機感を露わにする。それでも「個人としては全然悲観する内容ではなかったと思います。むしろポジティブに言えば自信にすべきだなと思います」と胸を張った。

　今季初の連敗を喫した試合後、アウェー側スタンドに出向いた選手たち。サポーターから寄せられたのは怒号や罵声ではなく、チームを鼓舞する温かい拍手だった。「負けたにも関わらず、ポジティブな反応を示してくれたので、なんとか勝って、今の流れを払拭できるようにしていきたい」。開幕から5試合無敗のあと、アウェー2連戦で連敗。嫌なムードを払しょくすべく、次節のホーム戦（対サガン鳥栖戦／14日）へ背番号7は力強く誓った。（FOOTBALL ZONE編集部・橋本 啓 / Akira Hashimoto）